投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ヒトナツ
【コメディ 恋愛小説】

ヒトナツの最初へ ヒトナツ 40 ヒトナツ 42 ヒトナツの最後へ

ヒトナツF-5

夏が終わり、秋が終わり、冬が終わり…

辺りはちょうど桜が満開だった。

「……おはよう、桜」
「……おはようございます、健吾さん」

二人で手をつないで並木道を歩く。
取り留めのない話で盛り上がる。


俺が空港から帰ったあと、真っ先に桜に会いに行った。
桜は最初は戸惑っていた。

しかし、“渚さん、やっぱりあなたは…”なんて一人で呟き、あっさり結論に至ったようだ。

それから俺と桜は、少しの時間でも一緒にいることを望んだ。

今なら心から、桜を愛していると言える。
桜の笑顔を見れること、本当に“アイツ”に感謝していた。



どれくらい歩いただろうか。



目の前には、背が高く、ボロボロのリュックを背負った一人の美しい女。
でも今度はタンクトップにジーンズではなく、春物の可愛らしい格好をしていた。

三人で目を見合わせて、まず俺が言う。
「……おかえり」
桜も続く。
「……おかえりなさい」




そして“アイツ”が言う。




「……ただいま!」


ヒトナツの最初へ ヒトナツ 40 ヒトナツ 42 ヒトナツの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前