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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州記 -或ル夏ノ騒動--4

――ずっと思い続けていた彼女とようやっと結ばれて、浮かれていたせいもあったのかもしれない。
何度も身体を求めて、彼女もまたそれに応えてくれた。
だから、少々調子に乗ってしまった…のかもしれない。
一紺は、冷汗を額に浮かべた。
(…そんな。そら、ありえないことでもないけど…)
鴉が鳴く、夕暮れ。
余程長い時間沈黙のまま向き合っていたのだろうか、気付けば外は橙から藍色へと染まっていた。
一紺は恐る恐る訊ねる。
「あのぉ、竜胆さん?その…思い当たる節てのは…?」
「ある」
きっぱりと、竜胆は告げた。
慌てて一紺は言う。
「でも、でもな竜胆!俺、お前がええ言う時しか中に出しとらん…」
語尾の弱さは、自信のなさでもある。
「それ以外であっただろ」
大きく溜息をついて言う竜胆。
彼女は一月ほど前のことを思い出す。出来ることなら、思い出したくなかったあの事件。


『…もうイッたんか?つまらんなぁ』
媚薬のような効果を持つ催淫茸を食べて、その強い効き目のせいか、人格までもが変わってしまった一紺。
そしてそんな彼に、彼女が犯され続けた夜。
『駄目、も…ッ!やぁ…』
いつも以上に身体を求められる竜胆。
駄目だとか止めろだとか、そんな言葉は無意味だった。
両足を一紺の逞しい肩の上にかけられ、奥を突かれる。
前後する腰に合わせて起きる摩擦は、酷く竜胆を酔わす。
『あ、あ、あ…ッ、んッ!はぁ、ああ…ッ!』
物凄く、気持ちが良い。
否、気持ちが良いとか心地良いなどと言う言葉など生温い。
今までに感じたことのない快楽が全身を痺れさせる。
自身の愛液と一紺の欲望とが交じり合い、白く濁った泡が出し入れの度に淫猥な音を立てる。
『ん、あッ!ん…!熱い、そこぉ…ッ』
一紺は子宮をがつがつとお構いなしに突く。
竜胆も遠慮なく鳴いた。
『あんッ!ひゃ、あッ!…あああぁんんッ』
二人が掻いた汗のせいで、肉のぶつかる音が大きくなる。
一紺が突く度に、竜胆が甘い声を上げる度に、肉と肉とはぶつかり合い、汗が迸る。
水浴びでもしたかのように濡れた髪は仄かに香り、竜胆の放つ女の匂いと共に一紺の鼻孔を突く。
それがまた彼をかき立てる。
『は…ッ、ん…もっと、締め付けられるやろ』
竜胆の陰核を摘み、捻った。
途端にびくん、と竜胆の身体が跳ねる。
同時に一紺のものはきつく締め付けられ、彼は快感から眉根を寄せた。
犬のようにだらしなく舌を出し荒い息を吐きながら、一紺は竜胆の首筋に頭を埋めて腰を振った。
『あ…い…ッ!んあッ!あ、イキそ…ッ、んッ!』
『…ええで』
『いぁ、ああああああぁ――ッ!!』
膣内に欲望を放たれ。汗と唾液と体液塗れになり。
こうなると、もう壊れてもいい気がして来る。
抗う気なんてなくなってしまう程の快感が竜胆を満たしていた。
『はあ……はあ……』
――幾度身体を重ねたのか分からない。
ただ竜胆の中に欲望を注ぎ込んだ一紺の下卑た笑いだけが彼女の頭に響いていた。


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