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学園の社長〜社長の連盟騒動〜
【ミステリー その他小説】

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学園の社長〜社長の連盟騒動〜-1

学園の社長~社長連盟騒動~



 俺の名前は種山田隆司(たねやまだ たかし)。 あまり聞かない珍しい苗字だと思うが、人格は名前ほど変じゃないと自負している。
 私立明奉学園の高校二年生だ。
明奉学園というのは、俺が高校二年生になる今年に転入してきた学園で、東京から程近いところにある島の学園だ。その学園はその島の中でも一番有名であろう六年制のカトリック校である。いわゆるマンモス校ってやつだ。俺がこの学園に転入したのは高校二年だった。それからというものそこでの学園生活は東京の学 校にいたときはまるで違う環境だったのだ。何が違うかっていうと学園の敷地の広大さが半端ではないのだ。それは豪華なつくりの校舎に加えて、生徒棟、すなわちクラブハウス、さらには体育館とはべつに、集会用のホールまでもある。学園の五十年以上の歴史の間に何回にも渡る改装を経て、現在の姿となったわけである。
 その学園敷地の広さと特徴だが、この学園の名物はなんといっても生徒会だ。
 一つ前の代の生徒会長は伝説と謳われており、その時期を転機に生徒達の自主性は一変した。前生徒会は『生徒の生徒による生徒のための生徒会』をスローガンに掲げて学園内の改革を始めたそうだ。まあなんともスローガンとして安直に思いつきそうな言葉だが、実際にそれを実現してるのがここの生徒会たるゆえん だ。それも他を圧倒するスケールで、権力というよりむしろその圧倒的な実行力でどんな企画もことごとく成功させているのだ。設備の増大、イベントの充実、さらには校則そのものを変えてしまうこともあったりするのだ。学園の生徒としてもその企画に関わりたくて、積極的に行事、集会に参加しているのだ。こうして明奉学園 の生徒会はひとたび人気者、そして学園の名物となったわけである。
 以上、この学園のことを長々と話したな。だが、これで紹介がすべて終わったわけではない。この学園にはもう一つ特異かつ巨大な存在があるのだ。それも生徒会とは違ってこの学園であまり知られていない密かな存在である。まさか俺もこの学園に入学してわずか一ヶ月たらずでその存在の変態さを思い知らされると はまったく予想外のことだった。
それは俺の同級生のある男のことだ。この学園のことはまだあまり知らないが、まさにその男こそ前述した生徒会の伝説をはるかに超越する男であることを俺は確信している。                   その男の前ではこの学園で起こるどんな物事もかすんで見えるのだ。
では、手始めにその男について、わかっていることを列挙してみるとするか。
『男の名前は錦田将三郎(にしきだ しょうざぶろう)という』
『ひょろっとした痩せがたの体格にマッシュルームのような形をした髪をしている』
『母親は日本有数のファンドであるファンドニシキダの会長である』
『成績は優秀なほうである』
『スポーツは万能というほどでないが、体育ではどの競技も無難にこなす』
『普段の態度や言葉使いなどで、一部の生徒から社長と呼ばれる』
…とまあこれらの点が現時点での奴に関する情報だ。
 ううむ、やはり表面的な特徴などを挙げてみても、奴のあふれんばかりの奇抜さを伝えることはほとんどできなかったようだ。クソ、これじゃまるで駄目だ。
ではそういうことでその錦田についてはこれ以上無意味な言葉などでだらだらと説明するのは意味がないことなので、お話はさっさとやめにしてそろそろ本筋に移るとする。なんせあの忌まわしき記憶は今でもはっきり覚えているのだからな。


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