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学園の社長〜社長の連盟騒動〜
【ミステリー その他小説】

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学園の社長〜社長の連盟騒動〜-11

「彼には前もってこの潜水艦に行くようにいっておいたのだ」
「するともしかしてボートを浜まで発射したのは錦田ですか」
「そうだ。私だ。私はこの潜水艦の使い方もある程度は山崎船長から教わった。そこのパネルで方向を決めたあと、このスイッチでボートを出すことができる」
「ふむ、確かにそこにスイッチがあるな。ってかそれってホントに単純だな。もっと複雑なスイッチやらメーターやらあるのかと思ったら前進とか浮上とかしかねえじゃねーか」
 これではまるでゲームセンターにある運転ゲームとあまり変わらない。
 山崎は苦笑しながら、
「基本的に運転機能はおまけのようなものだな。このパネルに目的地を入力しておけば勝手にそこに向かってくれる。目的地がなくても浮遊モードにしておけばそこらへんを漂っているだけだしな」
「すると普段の船長は」
「そうだ。そういえば錦田君に酸素対策のアレを頼んでおいたね。どうやら早速用意してくれたようだね」
 錦田は笑顔でうなずくと、座席のそばにあった大きな段ボール箱から重そうな機器を出した。それは長方形の形をした機器であちこちにコンポについているスピーカーのような小さな穴が開けられている。側面にメーターやらスイッチらあってよくわからない。
 錦田は取り出したばかりの機器のほこりをぬぐいながら説明を始める。
「これは酸素を作り出す機械だ。作るばかりではなく酸素の濃度までが調節できる。それには、当然のことながらある物質が必要となる。しかし少ない物質で大量の酸素が作れるから非常用としてはもってこいの機械だ。私の知人からとりよせてもらったものなんだ」
「こんな機械を取り扱ってるなんてどんな知人だよ」
「なぁに。ちょっとした機械好きの人だ。ちなみにまだ市販されてないらしく、このことは秘密にしてほしいとはいっていたな。君も心得ておくようにな。」
 平然としてそんなことをいうのだ。
「ある物質ってなんなんだよ」
「このあたりの海底でしか取れない物だが、この箱にその説明もあるので、近いうちに支部の購買にでも出ると思うが」
「支部の購買?」
 この質問には山崎が答える。
「支部だよ。今向かっている建物だ。ちょうどいい。もうそろそろ着くころだろう。この窓から外を見てみなさい」
 魚の群れの奥に、グレーの四角いプレートが広がっているのが確認できた。
「これが、支部?」
「そうだ。海底に建物を作るなんてユニークな発想だろう?」
 ユニークすぎる。一体どうやって建てたのだろう。
 プレートの上には、たこのような得体の知れない生物が何匹かへばりついている。数十年後には、
 潜水艦はプレートからぽっかり開いた穴の中に入っていく。まるで海底の洞窟に侵入しているようだった。穴の中に入るとしばらく白い壁に囲まれただけの無機質な光景がつづいた。
 五分ほど進んだところで広い駐車場のような場所に出た。そこには何台もの潜水艦が並んでいた。
「今思ったんだけどよ。どうやって中に入るんだよ。ダイバーのように潜水艦から出たあともぐって中に入るのか?」
この質問には山崎ではなく錦田が答えてくれた。
「簡単なことだ。行きのボートと同じ原理だよ。入り口の扉のところに潜水艦を密着させるんだ。密着してから潜水艦と入り口の二重の扉を開けるんだ。これで水の中を泳ぐことなく建物内部に進入することができるんだ」
「そういうことか。納得した」
 潜水艦は錦田のいうとおりの行動を取った。奥の壁の一部に出っ張った部分がありそこにひきつけられるようにして潜水艦の側面がくっついた。そして何度かの電子音のあと、潜水艦はまったく動かなくなった。
「よし、では出るとしようか」
 山崎と錦田は順々と操縦室の扉を開き、廊下に出た後のすぐ右にある扉を開ける。俺もそれについていく。するとその部屋にまた、ボートとはまた別の場所に出入り口らしき扉があるのだ。
 山崎は出入り口の扉を開ける。すると目の前に現れた第二の扉が自動的に開いた。そして目の前に広がった光景に息を呑んだ。


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