「闇に咲く花」-1
「あ…の…、わたくし、別所 舞と申します」
赤い襦袢を着て、三つ指を揃えて男に挨拶をした少女。
年は16、7だろうか。
まだ小学生と言っても通用しそうな幼い顔立ち。
腰まで長く真っ直ぐに伸びた髪。
そして、外見に似合わぬような豊かな膨らみを主張する胸。
どれもが、男の情欲をそそるものだった。
「ほっ、本日は、わたくしをお買い上げいただきありがとうございます」
舞の声は裏返り、震えている。
しかし、その様子がまた初々しくもあり男は満足を覚えていた。
「舞ちゃんだっけ?ほれ、こっちへ来て酌をしなさい」
にやける顔を押さえようともせず、男は舞を手招きした。
そのまま、にじり寄ってきた舞を捕らえると膝に乗せる。
「で、舞ちゃんはいくつだね?」
「じゅ、16です」
「ほう。おじさんにも同じくらいの娘がいるが、こんなことはさせたくないねぇ」
そう言いながら、膝の上で酌をする舞の躯を撫で回すのだった。
「まぁ、でも舞ちゃんはいいねぇ。娘と違ってこうやっておじさんと遊んでくれるんだから」
別に遊びたくてこうしているわけでもないが、お金で買われた経緯を考えると逆らうことも儘ならない。
この、好色そうなオヤジに今夜、自分は抱かれなくてはならないかと思うと、舞は嫌悪で吐いてしまいそうになる。
ぐっと堪えて顔を上げるとオヤジが舞の顔をのぞき込んでいた。
「ほれ、どうした。そんな顔をして。舞ちゃんも一杯やりなさい」
と、徳利を差し出してくる。
そして、そのまま何と舞の襦袢にダバダバと酒を注ぎ始めた。
ビックリしたのは舞である。
「お、おじさま!?」
声を上げるが、オヤジは一向に気にした様子もなく、舞の襦袢に口を這わせ始めた。
そのまま、染み込んだ酒を吸い上げる。
「あっ…」
恥じらいとも歓喜ともつかぬ声が舞の口から漏れる。
「舞ちゃんは、お酒が嫌いかね?」
尚も舌を這わせながらオヤジが尋ねてくる。
「あのっ…好きも嫌いも、まだっ、あっ、お酒は飲めないのでっ」
早くも舞の声は刺激に上擦っている。
「そうか。でも、舞ちゃんの躯はこんなにお酒を飲んで喜んどるよ。ほれ」
そう言うと、オヤジは襦袢の上から僅かに主張をし始めた舞の突起を口に含む。
そのまま、舌で嬲りながら、もう片方の突起を執拗に手で捏ね回すのであった。
濡れて重くなった襦袢が舞の肌に張り付いて、躯のラインを主張する。
それは、見る者をハッとさせるほど艶めかしいものであった。