社長と秘書の、とある夜の秘め事-4
「お前…結構セックスしてるだろ…」
「何言うのよ、突然…」
クスッと笑っただけなのに、その顔にドキッとしてしまう俺。
10代かよ、俺は−−
そんなことを思いながら太ももに触れる。
「してるわよ?付き合ってる男がいるからね…」
「だろうな…すごく肌、気遣ってる感じがする」
「当たり前…
絶対、嫌われたくないもの…あの人だけには…」
そう言った時の目は、とてもさみしそうだった。
嫌われたくないなら、何で俺に抱かれようとするのか。
別の男のことを考えて俺に抱かれるつもりか…?
少なくとも、俺は。
今、目の前にいる松本にドキドキしてるっていうのに…
俺は少し苛立って、脚を無理やり開き、吸いつくようにして愛撫する。
「んん!
雪人…?!あっ!!」
何故だか腹が立つ。
別に松本が好きなわけじゃない。
俺が好きなのは麗だ。
なのに、なのに…
俺を好きだった女が、他の男のことを考えている、というのが許せない。
自惚れるのもいい加減にしろ、と自分でも言いたくなるが。
なぜだろう…
「…いい…雪人…!おかしくなっちゃ…う…」
こんな声で鳴く松本を初めて見て。
「雪人…お願…い、もっとめちゃくちゃにして…」
こんなに冷静じゃなくて、やけになっている松本を初めて見て。
乱れている松本を初めて見て。
他の男の前でならこんなに乱れるのかと思うと。
俺が今まで松本と寝た時に、どうして乱れさせることをしなかったのかと思ってしまう。
「は…松本…俺のもしてくれるか…?」
口についた体液を拭いながら俺はそう言った。
松本はゆっくりと起き上がって、俺を見つめる。
妖艶で、狡猾な目つきだ。
「いいわ…もちろん」
ゾクリ、と背筋が凍るような感覚。
今まで見たことのない、松本の顔。
俺は松本のことを何も知らなかったのか…何も…
俺は立ち上がって、ベルトを外すとズボンをずらす。
「ふふ…おっきくなってる…『社長』…?」
俺のそれに触れながら、俺を見つめてそう言う。
社長、なんてこの場で使うのは反則だ…
「んふ…かたい…」
下の方から、ちゅ…と音を立ててキスをしていく。
上までキスをすると、下の方から次は舌を這わせて。
何度も何度も下から上、上から下へと舌を往復させる。