冷たい情愛12-6
ゾクゾクする…
彼は肩を屈め、キスをしてきた。
いつもの優位なキスではなく…息は乱れきり私の口腔を食い尽くすかのような、荒々しい繋がり。
あまりの激しさに、私は頭が一瞬クラッとするが…
それでも彼の性器への動きは止めなかった。
彼は腰を自ら動かし、私の手の動きと波長を合わせる。
私の手のひらは、彼が自ら起し始めた摩擦の熱を感じている。
私は、彼の姿と熱と息からだけ…発情している。
男の性器で遊び、快楽で歪む顔を見る女。
女に性器を握られ摩擦され、四つんばいのまま快楽の息を漏らす男。
「もう…だめだって…」
唇を離し訴える彼。
「んん…あっ…」
彼の限界を私は知る。
自分が好きになった男の苦痛と快楽の表情を眺め、私は濡れている。
「ん…ああ…」
「いって…お願い…」
私は素直に言った。自分が乱れてしまう前に彼の限界を見たかった。
彼が私の手で、理性など吹き飛ばしてしまうその顔を。
「んん…ああ…」
彼は言葉ではなく、荒い息と漏れる声だけでそれに答えた。
彼の腰の動きは止み、その代わりに私の手のひらには脈打つ感覚が伝わる。
快楽の証拠として、彼が発した白濁した粘液は…
私のうっすら冷えた下腹部に、熱く広がった。
私は彼の顔を見つめた。
四つんばいのまま、うなだれる彼は…以前までの冷たい目をした彼ではなくて…
ただただ息を乱し続ける…
それでも…
乱れる顔さえも…
端麗な…
動物と人間の間の顔をした彼だった。
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彼は全裸のままぐったりと、仰向けに横たわった。