冷たい情愛12-4
「…がま…んなんて…しなくて…」
彼の好きにして欲しかった。
私の快楽のためじゃなくて…彼のために、私の体を使って欲しい。
それがつまりは…
私の幸福と快楽になるからなのだと思う。
私は、彼の固い性器にそっと触れた。熱いくらいのそれ。
「…っん」
彼が顔を歪めた…少し苦しそうな顔。
彼の指は、私への悪戯を止めた。
私は、彼が私にしてくれたように…自らの手で、彼に触れ始めた。
私は、指と手のひらで彼のものを優しく上下に撫でる。
下から上へ動く私の手。
決められた場所にたどり着いた瞬間、彼の表情は苦しそうになり声を漏らす。
私の手に余るはずの彼の発情の印は、それでも可愛いと思えてしまう。
私はそっと…それを手のひらで包み込み、また上下の刺激を加え始めた。
彼の性器と私の手のひらは、柔らかい摩擦を起こす。
「ん…はあ…んん…っ」
彼が声を漏らす。
目を開け私の目を見つけるが…すぐに目を閉じ顔を歪ませる。
これ以上、硬化しないであろう位の彼の性器。
大切なものを触れる時と同じ…そんな感覚だった。
彼はずるい。
声を漏らすのに、それは彼の心を示す言葉ではない。
でも私は、漏らす声から彼を感じ取りたい。
もっと…声を出して…
少しだけ手に力を入れ、圧迫しながら上下の動きを速める。