社長室での秘め事-4
「体調悪いんじゃないのか?顔色悪そうだ…」
「わ、わたし…イチャついてなんかいませんっ…」
俺の質問には答えず、坂下は涙目でそう言った。
「…わかってるよ」
俺は立ち上がって、麗を応接用のソファーへ座るよう手を差し出す。
麗は立っている俺を見上げて、座った。
「わかってる。
あの場で、殴れたら…って思った。
でも俺は社長なんだ。
だから、殴れなかった。
ここが会社じゃなかったら…そう思った。
すまなかった…」
俺は麗の前にひざまずいて、頭を下げる。
「どう見たってイチャついてないことくらい、わかるよ。
俺にさえ、抱かせてくれないんだから…」
クスッと笑って、麗を見上げると麗は泣いていた。
泣きながら、麗は俺の頬に手を添える。
あったかい…
久々に感じた、麗の指先、手のひら。
俺の中にこんな感情があったなんて。
セックスだけじゃなくて、指先や手のひらにさえもドキドキしてしまう感情があったなんて。
「社長…あたし、前に…
笹原君に告白されて…ここで、抱かれたことがあったんです。
決して無理やりじゃなかった。
抵抗しようと思ったら抵抗できるくらい、笹原君は優しかったんです。
だから…社長に求められても、拒んでたんです。
ごめんなさい…」
「…俺に、お前を責める権利はないよ。
麗は…そうやってずっと自分を責めてたんだから…お前は何も悪くない」
俺は、麗を抱きしめた。
久しぶりに麗の温かさをじかに感じることができて。
他の男が麗を抱いたことなんかよりも。
そんなことよりも麗に触れたことの方が大きくて。
「麗…脚を開いて…」
「や…ですっ…」
ひざまずいている俺の目の前には、ちょうど麗の膝がある。
抱きしめた腕をはずし、麗の脚に手をかけた。
「はずかしっ…」
黒のストッキングに、ピンク色のガーターベルト。
綺麗な脚だ、相変わらず…
そう思いながら、太ももにキスをする。
唇が麗の肌に触れるたびに、いやらしく麗が体を震わせた。
「や…!!」
「ほら、腰浮かせて」
下着に触れると、麗の体が拒否反応を示す。
ピンク色の下着を、俺は無理やり引き剥がすように脱がせた。
久しぶりに見る、ピンク色の卑猥なクレバス。
その上に生える、茂み。
愛しいそれに口づけをする。
今までは、無理やり抱いてきたけど。
こんな愛し方もあったんだと、知った。
壊したくない…そんな感情が俺の中にあったんだと。