社長室での秘め事-3
「やめて…笹原君、お願い…!!
笹原君のこと、嫌いになりたくない、お願い…!」
(何で、そんなにあなたは優しいんですか…?)
「こんなガーターベルトして、いつも社長とヤッてんでしょ?
こんな格好して、社長を誘って…
俺は、俺は…!!」
「嫌、おねが…!!」
笹原の下着を無理やり脱がせる。
そして、じかにまだ潤っていないクレバスに指を触れた。
「…社長に、どんな風に抱かれてるんですか?」
「お願い、やめてよ…!やめて…!!」
そのとき。
ガチャリ、と医務室のドアが開く。
「麗…?」
社長だった。
松本に言われ、坂下のことを心配してやってきた社長だった。
「れい…いや、坂下。
お前、熱を出してると松本に聞いてんだが。
心配して来てみたら男とイチャついてるのか?
そこの男は…笹原だったかな?
もう、昼休みは終わる。
早く、仕事に戻れ…早くだ」
「は…はい…すみません」
笹原はその場から逃げるようにして去っていく。
坂下は泣いていた。
(イチャついてるって、社長…言った…?)
「坂下、もし来れたら…社長室においで。
待ってるから…今はゆっくり休め」
「…社長っ…」
バタン、とドアが閉まる。
(嫌われた…)
坂下の涙は当分止まることがなかった。
<PM05:45>
「全く…仕事に集中できないっ…」
俺は読んでいる書類をデスクの上に投げつける。
「坂下のこととなると、ただの人ね…か。
全く…そうだよ…」
無意識のうちに俺は苦笑する。
そんなとき、社長室を誰かがノックする音がした。
「どうぞ…」
「失礼します」
とドアを開けたのは麗だった。
まだ、少し顔色が悪いのがここからでもわかる。