秋と春か夏か冬 12話〜『サヨウナラ』〜-9
〜〜5分後。
「なんだぁ…最初から説明しなさいよ」
鈴音が言う。
…だから一応言っただろう。
「でも相変わらず寝起きの恭介は盛んと言うか…」
溜め息をつきながら話す理緒。
「いきなり僕の肩をつかんで倒れこむんだもん。びっくりしたよ〜♪」
…おまえはまた誤解を招くようなことを…。
「だ〜か〜ら〜…どれもこれも誤解だっつーの。
夏輝を押し倒したことも、俺が保健室に運ばれたってのも……そして…おれが元気ないってのも」
全身傷だらけの恭介が説明した。
最後の言葉に2人…理緒と鈴が反応する。
「本当ですか?」
理緒が聞いてくる。
「あぁ。それに少し中学の夢を見てな……思い出したよ。おれが元気じゃないと…あいつも浮かばれないだろ?」
冗談っぽく言う恭介。
「…中学の夢って………それより失礼ね。浮かばれないって、美雪は日本にいないだけじゃない」
恭介から美雪の話題を出したことに、少し戸惑いを感じるが、すぐにつっこむ鈴音。
「うぅ〜…なんのことぉ?」
話が見えてこない夏輝。当然である。
「気にするな。今度暇なときに話してやるよ。つまんない話だけどな」
そう言って笑う恭介。
「…どうやら本当に大丈夫そうですね」
理緒が聞いてくる。
「だから散々言ったろ?理緒と鈴は心配性すぎるって…まぁ気持ちはわかるがな」
「なんか余裕が出来たわね。寝てただけなのに…気にくわないわ…」
木刀をチラっと見る鈴………シャレにならんぞ?
「なんだかわからないけど………恭介が元気になってホントに良かった〜♪」
そう言ってまた抱きつく夏輝。
「おぃ…だから離れ………夏輝…?」
「…くぅ…」
…………。