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年の差
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年の差-番外編-3

狭苦しい部屋にベッドと、机。
まぁまぁ綺麗なホテルだろう。
バド部の顧問になってから、3ヶ月。
学生の付き添いで、二泊三日、学生のお守りだ。
年に一回ある大きな大会で、二日間に渡って行う為、泊まりに来た。
学校がある隣の県で、周りには何もない。
敢えて挙げるならば、海水浴も出来ない海岸と、客がいるのかイマイチ分からない、商店街だった。
だいたい、うちのような学校があるところは、辺鄙なとこに建っている。
その近くで試合が行われるのだから、当然、こういったことになる。
しかし、部屋は10階建ての8階。
景色は、思っていたより綺麗だった。


エレベーターに乗って、降りてみると、ロビーに、ケータイで電話している北野がいた。
フロントと、小さな一人掛けソファーが何脚かあった。
そのうち、1番入口に近いソファーに座っている。
声をかけてやろう。
そう思い、北野に近付く。
「きた…」
途中で止めたのは、言うまでもない。
相手が彼氏だったんだ。
何で分かるかって?
あのハスキーな声が、甘く可愛くなっていたからだ。
声をかけるのを、止めた。
嫌だった。
単純に、嫉妬だ。
何で、学生相手に嫉妬してんだ?
分からない。

コンビニに行こうと、歩くと、後ろの方から、足音。
「先生!」
振り返ると、さっきの甘い声とは違うハスキーな北野。
でも、気のせいだろうか?
最初の頃に比べたら、幾分、親しみが含まれているように感じた。
「コンビニ行くんですか?」
「あぁ…」
「じゃ、一緒に行きましょ!」
にこっとしながら、言う。
ドキっ。胸が躍ったのが分かった。
今日見た中で、1番可愛い。
向こうは何の気なしに、やったんだろう。
さっきの嫉妬なんてなくなった。
やばい…オチた。


学生相手に、惚れてしまいました。





それからというもの、試合中は、北野を目で追っていた。
北野がポイントを決めると、自分のことの様に喜んで、ミスすると悔しがった。
だが、一つ忘れていた。





バドミントンのルールが分からなかった。




ルールは周りにいる他の部員に聞いて、何とか理解でき、また一つ、北野に近づいた。
…と、いう気になった。


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