「深夜の病室」-6
「…せんせ…」
「ん?ほら、ちゃんと言ってごらん」
「…舞を治療してください」
もっと突き詰めて淫らな言葉を言わせても良かったが、橘自身も待ちきれないほど熱を持っていた。
「じゃあ、舞ちゃん、注射をするから、ゆっくり息を吸って〜。吐いて。そう、力を抜いて」
血のたぎる欲望を素早く取り出した橘は、怪我をした舞の右足を慎重に避けベッドに足を掛ける。
そうして、舞の左足を持ち上げると逸る欲望を宥めながらゆっくりと奥へ射し込んでいった。
「…息をついて」
橘は舞の中がギュウギュウ締め付けることにクラクラとするような目眩と歓喜を覚える。
指一本入れるのが限界に思えた舞の中は、少しずつ橘自身を飲み込んでいく。
「動かすよ」
答えを待たぬまま、橘は律動を開始した。
「いった…。ダメっ。センセっ。あぅっ」
初めは痛がっていた舞も、秘芽を擦りながら律動を繰り返すといつしか、甘い声を出すようになってい
た。
「……んっ…ぁあっ…」
最後、一際大きな矯声を上げると、舞は橘を一層強く締め付け、果てた。
その勢いで、搾り取られそうになるのを辛うじて堪え、橘は舞の中から自身を急ぎ引き抜き、露わにな
っていた舞の腹部に白濁をぶちまける。
「はぁ、はぁ」
静まり返った部屋に橘の荒い息遣いだけが響いていた。
先程までの情事が夢であったかのように眠る舞。
彼女の腹部に散った白濁を拭き取ると、橘は舞の傷口に響かぬように下着とパジャマを着せる。
それから、しっかりとギブスを固定し舞の瞼に軽く唇を押し当てる。
先刻、催淫剤と言って飲ませたのは軽い睡眠薬だ。
暗示の効果は覿面だった。
そして、ようやく効きはじめた薬の力で舞は朝まで目覚めることはないだろう。
「お休み舞ちゃん。いい夢見てね。また、明日」
どこか意味ありげにそう呟くと、橘は部屋を去っていったのだった。
翌日、舞の回診にやってきたのは、ボサボサ頭のどうにも冴えない中年男だった。