秋と春か夏か冬 10話〜『誰がための幸せ』〜-2
バタバタッ
ガチャン!
「恭介!早く起きてください!遅れちゃダメ………です……よ」
部屋に入ってくる理緒。
固まる3人。
「「「…………」」」
沈黙……。
そして鈴も後から入ってきた。
「どうしたの理緒くん?そんなに固まって……あら?朝からまぁ…盛んなことで…」
「…なんてゆーかその……お邪魔しました」
そして部屋から出る理緒と鈴音。
「…とりあえず起きようかアッキー…」
「……はい…すみません」
健やかな日常である…。
―――リビングにて
「昨日やっと付き合ったって、理緒くんから聞いたけど……まさか朝っぱらからキスシーンに遭遇するとは思わなかったわ…。猿かあんたは!」
「まったくですよ。寝起きの悪さも手の早さも一流ですね」
二人から残酷なまでに冷たい言葉をかけられる。
「…すみません」
俺は何も言えず、美雪が作ってくれた朝食を口にしている。
ちなみに朝からラーメンとコーヒー(激甘)を出された…。
「ま、まったく理緒っちと鈴りんもタイミングが良いのか悪いのか…あはははは」
動揺しまくる美雪。
「で、理緒たちはなんの用だ?」
「ただ起こしにきただけです。たまには起こしに来るのも良いと思いまして」
…タイミング悪すぎ…。
「暇だな理緒も」
多少嫌味をこめて理緒に言う。
すると鈴音が割って入ってきた。
「違うわよ!あんたが遅刻多いせいで、理緒くんが先生に怒られたのよ。『友達なんだからなんとかしろ』って。これ以上、理緒くんに迷惑かけたら…本当に殺すわよ?」
(だからか…先生も直接俺に言えばいーのに…)
まぁ…理緒に迷惑はかけられない。
「…悪かった理緒。これからはちゃんと行くよ。目覚ましも出来たしな」
「ちょっと恭介。目覚ましって誰のことかなー?」
笑顔だが、額に怒りマークをつけている美雪。