秋と春か夏か冬 10話〜『誰がための幸せ』〜-1
―――早朝
「…介……恭介…朝だよ…学校だよ」
「……ん…美雪?……どうして…」
「もぉー。これからは学校一緒に行くって言ったじゃんか!」
寝惚けている頭をフル回転させて思い出す。
「…そっか。昨日そんなこと言われた気が…」
時計を見るとまだ7時。いつもは8時過ぎに起きるのに…。
(は、早すぎる…)
「さっ、起きて♪」
ダメだ…。
「美雪」
「んー?」
「別れよう」
「……えっ?」
「短い間だったが楽しかったよ…」
俺はそう言って寝返りをうつ。
「……恭介…それは冗談だよね?」
「…早く冗談って言って……じゃないと…泣いちゃうぞ…」
俺は起き上がってうつむいてる美雪を見る。泣きそうだった。
「すまん。冗談でも言っちゃ悪いことだった。てか……おまえも意外と可愛いところあるんだな」
「恭介…喧嘩売ってんの…?」
「え?可愛いって言ったんだけど…」
「その前に意外ってついてた!」
細かいヤツ…。
「悪かったって。美雪は可愛いと思うぞ」
そう言って美雪の頭を撫でる
「…始めからそう言えば良いの♪」
頭を撫でられ、気持よさそうにしている美雪。
その無防備な顔に理性が吹っ飛びかける。
(…やばい…。マジで可愛い…かも)
恭介は腰に手をまわして美雪を抱き寄せる。
「きゃっ」
「…美雪」
そのまま唇を寄せる。のこり数?…
―――その時