恋文〜放課後の机3〜-1
━━ガチャ…
鍵が自動で開いてあたしは中へ入った。
玄関からは廊下が長く続いている。とりあえずあたしは靴を脱いだ。
「お邪魔します…。」
あたしは聞こえるか聞こえないかくらいの声で一応挨拶した。
一番奥の突き当たりの部屋から少し明かりが洩れている。
桐島の部屋はあそこか…。
コンコンッ━
「…ど〜ぞ。」
ガチャ━
「失礼します…。」
とうとう桐島の部屋に入っちゃったよ〜!!汗
って…えッッ!?
部屋の中には今にも倒れそうな桐島がいた。
「ちょ、ちょっと!!何起きてんのよ!?」
「…あ゛!?別にただの風邪なんだし起きててもよくねぇ??」
「何言ってんの!病人は病人らしく寝てなさいッ!!」
「は!?」
桐島の格好をよく見てみると、風邪引いてるってのに超薄着。部屋なんて寒いし、音楽も大音量で流れ出る。
「…あんた本当に風邪治す気あんの?こんなんじゃいつまで経っても治んないよ!!」
「…あ゛-うっせ-。たかが風邪で大袈裟、寝てれば治る。」
―カッチーン
こいつ病人のくせに憎まれ口は相変わらずだし!…こうなったら意地でもこいつの風邪治してみせる!!!
「桐島ッ!!」
「な、何だよいきなり‥。」
「ちょっと暖房付けるよ。てかあんたは布団入んなさい!あたし今からちょっと薬とか買ってくるから。その顔から見て薬、飲んでないんでしょ。」
あたしはテキパキと財布を鞄から出しながら言う。
桐島はポカーンとあたしを見ている。
「……は!?」
「だ〜か〜ら〜あたしがあんたの看病してあげるって言ってんの!」
って実際言ってないけど…ι
「…ッ!いいっつの!!」
「よくない!あたしの意地に賭けてあんたの風邪治してみせるんだから!」
「はぁ〜!?意地ってなんだよ、意地って…。」
「う…。と、とにかく寝てて!!」
そう言うと、あたしは桐島の部屋を勢いよく出た。
バタンッ━━