秋と春か夏か冬 08話〜『溢るる涙』〜-5
「…なんでそこまでしてくれんだよ…」
「アッキーにとって他人だから♪」
ニコっと笑う冬白。
――こいつにとって…事故の前も後なんか…きっと関係ないんだな…。
――理緒や鈴、和美先輩たちの心配は嬉しかった
――でも……優しくされるのが逆に辛くて…
――棘に触れないように注意する理緒たちが…嬉しいんだけど…同じくらい悲しくて…
――前みたいに接してくれなくて…前の俺と比較されてるようで……そんなことないのに……
――本当は……親友をそんな風に疑ってしまう自分が嫌で嫌で逃げていた…
――でもこいつなら…
――こいつとなら…俺はまた…歩き出せるかもしれない……
「…おまえ…言ってること無茶苦茶」
「うん♪」
「…確かに俺らまだ他人だな」
「うん♪」
「…変なヤツって言われないか?」
「ううん♪」
「…俺は変なヤツだと思ってるぞ」
「うん♪」
「…方向音痴でマヌケのクセに……核心ばっかついてきやがって」
「へへ♪」
「…友達…やってみるか?」
「うん♪♪」
「…悪いけど…少し寄りかかっても良いか?」
「もちろん♪」
「…しばらくこのままで良させてくれ…」
「うん♪友達だもの♪」
「…あとアッキーはやめろよ」
「かんがえとく♪」
「……俺…泣いても良いのかな…」
「うん♪」
「…さんきゅ」