投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

秋と春か夏か冬の最初へ 秋と春か夏か冬 51 秋と春か夏か冬 53 秋と春か夏か冬の最後へ

秋と春か夏か冬 08話〜『溢るる涙』〜-6

――事故以来…

――いくら泣きたくても、でなかった涙…。

――もう我慢しなくて良いよと…言ってるみたいに

――美雪の肩を借り、俺の目から流れだした――




――駅へ向かう途中。


「……泣いてカッコ悪いな俺…」

「ううん…人は泣けるから涙が出るんだよ。それにすっごく泣いた後は、すっごく笑いあえる時が必ずくるんだから♪♪」

「そうだな……ところで、なんで俺にここまでしてくれるんだ?」

「ん?恭介には3つ借りがあるからね♪」

あったのか?

「…なに?」

「1つめは助けてくれたこと、2つめは友達になってくれたこと、3つめは駅まで案内してくれたこと、だよ♪」

「…どれもたいしたこと無いじゃねーか。3つめなんか今まさに途中だぞ?」

「良いの〜♪」

「じゃあ俺も3つ借りがあったよ」

「ほぉ〜…なにかな?」

「1つめは肩をかしてくれたこと、2つめは友達になってくれたこと、3つめは…」

そう言い、恭介は喋るのをやめた。

「3つめは??」

「なんでもねーよ。感謝してるのだけ伝われば良い!」

「ずるーい!」

むくれる美雪。


「それより早く行かないと日が暮れるぞ…急がなくて良かったのか?」

「あ〜っ!!!駅前にある限定20名様までのケーキセットがぁ……走るよアッキー!」

…くだらねぇ。

「はいはい。アッキーって呼ばなきゃ走りますよ……ちなみにそっちは逆方向だからな」


『3つめはお前が転校してきてくれたこと』


本人を前に、口が裂けても言えるわけなかった。



おまけ…


「…どこまでついてくるんだ?」

ケーキを買いそびれ、駅の近くの甘味処を散々案内させられた俺は、まだこいつ…美雪といる。


秋と春か夏か冬の最初へ 秋と春か夏か冬 51 秋と春か夏か冬 53 秋と春か夏か冬の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前