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死の抗い〜始動と屍動〜
【ファンタジー その他小説】

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死の抗い2〜偽られた伝説〜-7

「クロ、勝手な行動は慎め。怒るのもわかるが、一人の愚行で全員の命が失うのを忘れるな。」


雄介のきつい言葉に啓は落ち着きを取り戻す。


「わかった…。」


刀を構え直し、相手を睨む。


「じゃあ参りますか。」


男がそう言った瞬間、人狼四体は散り散りに攻撃しにかかった。だが辰司はすかさず一体に弾を2発撃ち込む。
いきなりの攻撃に反応できず一発目は回避できたが、その避けた空間をもう一つの弾が襲い、頭が撃ち抜かれる。人狼は頭の失った身体を痙攣(けいれん)させ崩れ落ちた。

「まずは一体。何っ!?」


辰司は呼吸をつく暇もなく、リーダー格の人狼の蹴りを避ける。


「安心する暇なんか与えませんよ。」




辰司が苦戦を強いる一方で啓と雄介は人狼二体と応戦している。
啓は刀で敵の攻撃を受け流し、雄介は避けながら反撃にでている。

人狼が啓に上段蹴りをした瞬間、その下を身体を回転させながらかい潜り刀で足を切る。そして振り向きざまに首を撥(は)ねる。


「はぁ、はぁ、身体が勝手に動く…。」


呼吸を調え、雄介の方を一瞥したのち、啓は刀についた血を払い、聖霊弾を2、3発連射する。




辰司は敵の攻撃を避けるので精一杯になり、聖霊弾を構える暇もなく焦りを感じた。


「さっきまでの勢いはどうしました?遅い、遅いですよ。……ぐはっ!?何だ!?」

リーダー格の人狼が振り返って見たものは、仲間の人狼が雄介の警棒で頭を潰され、倒れ落ちる瞬間と、自分を狙って撃っていた啓の姿だった。




「畜生っ、この餓鬼がぁぁぁ!!」


血の滴り落ちる、痛む撃たれた傷も関係なく、啓にむかって飛び込もうとしたとき、人狼の頭の上半分が弾けとんだ。


「戦闘中に余所見はいけないな。」


辰司は聖霊弾を下ろし、そう言った。


人狼は数歩進んだ後、崩れ落ち4人の方を向くと最後の言葉を遺した。


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