秋と春か夏か冬 06話〜『先輩と暗闇と約束と』〜-1
バスケの県大会前日。
最後の練習が終わった。
「みんな今日までお疲れ!明日から頑張ろうな!!!」
主将がそう言って練習を閉める。
「恭介、まだシュート練やってくのかぁ?」
「えぇ、少しだけですけど感覚が違くて…修整しときたいんす」
「そうか…相変わらず熱心だな。明日から大会だから疲れ残すなよ」
そう言ってシュート練を始める恭介。
「ハァ…ハァ……いま何時だろ?…げっ!!!もうこんな時間だ。急いで帰らないと怒ら…」
「こらー恭介!!!いつまでシュート射っとんのや!もう閉めなあかん時間やろが」
切り上げようとすると、タイミング悪くマネージャーの和美先輩が入ってくる。
「か、和美先輩!わかってます…もう帰ろうとしてたところっす」
「まったく。こんな汗だくになってしもぉて…明日試合ってこと、わかっとるんか」
「すいません。時間見てなくて…いまから帰ります…痛ッ!!」
怒ってる和美先輩から逃げようとして、足が攣る。
「だ、大丈夫かいな恭介」
「平気です。ただ足が攣っただけなんで」
「逃げようとするからや。ほれ、ウチもクールダウンと柔軟を手伝ってやるさかい。そや!ついでにマッサージもしたる♪」
「えぇ!そんな…悪いっすよ」
「堪忍せぇ!いいか?自分は大事なレギュラーで大事な部員や。マネージャーの言うことは聞いとくもんやで?それにウチは先輩やぞ」
そう言ってウインクする和美先輩が可愛くて…少し照れてしまう。
「じゃあ…お言葉に甘えて♪」
「いてててて!!!和美先輩ギブ!!!ギブっす!!!もう曲がりません!」
座りながら開脚してる俺に後ろから押してくる和美先輩…
「なんや硬いなぁ自分」
……この人…楽しんでないか?