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『my dream』
【青春 恋愛小説】

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『my dream』-1

とりあえず、長くなるから自分のことを話しておく。俺は東条直己。日本で二度目の大学生活を送っている。本来なら十八歳にして飛び級で海外の大学を卒業した優秀な帰国生として何処かの企業に迎えられたり、大学院で専攻科目を研究したりといった生活を送れるのであろうが、運悪く俺の卒業した大学の学部はこの国では学歴として認められなかった。この国では大学を出ていないと大した職業に就けないと知っていたため、仕方なく今の大学に通っている。両親は俺が一度目の大学を卒業してから共に帰国したが、一週間後ほど日本に滞在した後、仕事ですぐにアメリカへと発った。俺が両親と共に他の国へ行かなかったのは世界中を連れ回されることにうんざりしていたから。俺は七歳の時から両親の仕事の都合でいろいろな国を転々としていた。最初の頃は見るもの全てが珍しく、新鮮でとても楽しかった。しかし、この年になると、落ち着かなくて、友達の一人もまともにできない生活にすぎず、嫌気がさしてきた。ちょうど良い機会だったので、俺はこの国での生活を選ぶことにした。そんなことから始まった俺の二度目の大学生活。二年が経った今、俺は様々な思いを胸に飛行機待っている。友達の事、留学先の事、自分の夢の事、そして彼女の事。この留学から帰ってきた時、どんな答えが出ていようとも俺は彼女と過ごした時を決して忘れない。過去の自分を忘れぬために。そして、またこの自分に戻らぬために。

 俺は入学してから一ヶ月経った頃、講義の関係で経済市場調査に関するグループ研究を行っていた。グループのメンバーは四、五人で、研究テーマは自分たちに任せるとのこと。俺はこの講義を一緒に取った金代伸輔と残りのメンバーを探していた。

「直己、どうする?あと二人。」

「そうだな。まあ、誰でもいいんじゃないか?何ならその辺のグループに入れてもらってもいいし。」

「そうはいくか。毎週集まってやるような内容だぞ。どうせならかわいい娘入れて、毎週集まった後にカラオケとか飲みとか行って…」

「そこかよ…これ講義だろ…」

「とにかく、お前も…」

「伸輔。」

伸輔が呼ばれ、後ろ振り向いた先には二人の女の子がいた。伸輔を呼んだ娘は知っている。駒田亜由だ。彼女は伸輔と同じ高校だったらしくたまに一緒にいるところも見かけるが、俺とは顔見知りくらいだった。

「あんた達のとこまだ二人?だったら一緒にやらない?あたし達のとこもまだ二人なんだ。」

「お前のとこと?俺はいいけど、直己お前は…」

「いいよ」

「え?」

俺は二つ返事で答えた。

「そう。じゃあよろしくね。直己くん、伸輔。」

「お前がいいなら別に構わないけど、気をつけろよ、直己。こいつ裏表激しいから。俺も初めて会ったときは…」

「ちょっと伸輔。変なこと吹き込まないでよ。あ、そうそう。それでこの娘がね…」

それが彼女との出会いだった。


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