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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 05話〜『今と昔と古傷の…』〜-4

「気にしないで下さい。でも…今はそっとしておいた方が良いと思います。体育館に戻りましょう」

「ぁ…ぼく保健室まで行っちゃダメかなぁ。なんか今の恭介を一人にしちゃいけない気がする……何も出来ないけど…側にいてあげたいの」

その言葉に驚く理緒。

(…今の…まるで…)

「…わかりました…恭介をお願いします夏輝さん」


「ありがとう理緒くん」

そう言って走っていく夏輝。




「…ちぃーす」

保健室に入る恭介。

「あぁ?……なんだ恭介か。サボりか?」

前にも説明したが、この人は峰不二 杏子。
恭介の親戚であり保健室の先生をやっている。

「体育だったんだよ。頭が痛いから休ませてくれよ杏子」

「仮病だな……小さいときから嘘つくと目を合わせない」

…バレてる。

「まぁ頭痛は仮病でも…調子が悪いのは本当だな。昔から何かあるとすぐそんな顔する」

…それもバレてる。

「…やっぱりあんたは苦手だ」

「それは誉め言葉として受け取っておこう…勝手に休んでいけ」

「…はぁ…ベット借りるぞ」

「私は今から出かけるから戸締まりしとけよ。もし見つかっても……」

「わかってる。『自分が勝手に忍び込みました。峰不二先生は悪くありません』だろ」

「よろしい。あまり休みすぎるなよ」

そう言って保健室を後にする杏子。

俺はベットで横になり眠りについた。


――後悔はしている…

――後悔しても始まらないことも…わかってはいる

だが…

――もしも怪我をしていなかったら…

――もしもあのときシュートを落とさなければ…

――もしもバスケをやっていなかったら…

――もしもあのとき…あの場所に間に合っていたら…

――もしも…美雪と…出会ってなかったら…

――こんなにも…苦しい思いをしなくてすんだのだろうか

考えてしまう…。

人生に『もしも』や『たられば』なんてない。

それも頭では…わかっている。


でも

――もしも過去に戻れるとしたら…




俺はどこからやり直すのだろう……


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