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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬04話〜『夏ストーリーは突然に』〜-1

香織がみんなを名前で呼ぶようになってから数週間がたった。

5月も終わりに近づき、だんだんと暖かくなってく今日この頃。

ある日の昼休み。

定番の屋上での食事。


「明日、2年のクラスに転入生が来るらしいですね」

…思えば理緒のこのセリフから俺の苦悩の生活は始まったかもしれない。

「なに!??ホントか理緒?ついに俺にも春がきたぞー!どんな女の子だ?可愛いのかその子?」

人一倍くいつくロン毛。なぜ女の子と決めつける?

「顔はまだわかりませんけど、女の子みたいですよ。先生も詳しくは聞いてないみたいです」


「ぅうー可愛い女の子が突然学校にやってくる。萌える展開だぜ♪」

字が違うぞ。いや、ロン毛的には正しいのかもしれない。


「ふぅーん。別に興味なし。私には理緒くんがいれば良いの♪♪」

本当にどうでもよさそうな鈴音。

「ゎ‥わたしは…その子がクラスに馴染めるか…心配です。」

それはお前にも言えるぞ香織。だが最近の香織は明るくなってきた。
それに同じクラスである鈴音が色々助けてるおかげか、クラスの何人かは、まともに話せるようになったらしい。

あぁ…娘の成長を見守る親父の心境……わかる気がする。


「まぁ、どんな娘が来るか楽しみですね」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日の朝。


なぜか開かれる全校集会。

なんかあったのか?

「なにか大事な発表でもあるんですかね?」

理緒が話しかけてくる。

「始まればわかるだろ。校長がしゃべるぞ」


「え〜みなさん、今日は転入生が来ることになりました!」


それだけで集会って大袈裟な気もするが…。


「『それだけで集会って大袈裟だろ』とか思った人はもっと柔軟な頭を持ちなさい」

…余計なお世話だ。


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