年の差-6-5
心のどこかで、そんな気がしていた。
フラれた、今。
悠と再び会えることになった、今。
心のどこかで、ほっとしているところがある。
この歳になって、周りが『結婚』に意識し始め、現に仲良かった奴らは、ほとんど結婚している。
子供も欲しいから、その歳の差を考えると、やはり菜海と結婚したかった。
『妥協』という言葉がちらついたこともあったが、やっぱり1番最初に頭にあったのは、『一生、一緒にいれるか』だ。
こんな冷静に整理したくない。
泣きたくて仕方なかった。
大声上げて、誰かに縋りたかった。
頭を胸にやり、肩を抱きしめて、何も言わず、赤ちゃんをあやす様に、背中をぽんぽん叩いてほしい。
でも、いない。
もう、そんなことをしてくれる人はいないんだ。
そう思うと、涙が流れてきた。
菜海…やっぱり、君は最高の彼女だよ。
面白いし、気が利し…言い出したら、キリがない。
もう妥協だなんて、言わない。
もう悠とは、迷わない。
だから…
俺から、離れないでくれ。