秋と春か夏か冬01話〜春と夕日と歌声と〜-3
「まぁだからなんだって話なんだが…」
??
首をかしげる。
「そういえば俺のこと恐いか?」
…ぶんぶんぶん。
春野は首を横にふる。
「じゃぁ恥ずかしがり屋なのか?顔伏せてるし」
こくこくこくこく。
思いきり頷いた。
「そっか…もう1回あんたの歌声聴きたいけど…この調子じゃ無理そうだな」
しゅん…。
春野が落ち込んでるように見えた。
なぜかその姿は昔の自分と重なった。……恭介は少し考え、
「…明日の放課後もここにいるのか?」
…こく。
春野が頷いた。
「じゃぁ俺も来ていいか?今日は昼に寝過ごして偶然ここにいたんだけど…また歌声を聴きたいんだ」
彼女は困ったように顔を伏せた。
「それに…おまえと友達になりたい。なんか知らないけど関わっていたいんだ…いいか?」
彼女は少し考え、そして…。
こくこくこく。
頷いた。
彼女が立ち去ろうとするので俺は
「春野、また明日な」
彼女は振り返り
「…うん///」
輝かしい笑顔を見せて去っていった。
ドキッ。
恭介はその笑顔に胸の鼓動が高まるのを感じた。
―おまえと関わっていたいんだ―
「……俺なんであんなこと言ったんだ?」
呟きながら恭介も屋上を後にした。
恭介の顔が紅かったのは夕日のせいか…それとも…。
つづく
◇◆◇◆◇◆
おまけ
帰り道ケータイを見るとメールが1件
From鈴音 『あんた…狂暴とか暴君とか悪口言わなかった?』
……俺のこと見てるのか?
恭介は辺りを見回す。
(…いるわけないか)
そう思いつつ背筋に寒い気を感じる恭介であった。
つづく?