死の抗い〜始動と屍動〜-3
「いらっしゃい。啓君懐かしいわね。ちなみにクッキー美味しいでしょ。形を作る前までは私がほとんどやったのよ(笑)」
「やっぱりか、だよなぁ。」
「お母さん!!余計なこと言わないでよ。啓くんもやっぱりってひどいー」
早紀の母は俺にとっても母親のようだった。
俺の母親は身体が弱かったらしく、俺を産むとすぐに死んでしまったため、顔も覚えていない。そんな俺の母親がわりをしてくれたのが早紀の母親だ。
ピンポーン
早紀が一人で騒いでいるとチャイムが鳴った。
俺が早紀の代わりに玄関まで行き、ドアを開けると、
「どちらさ……」
「おぉーーす!!!クロぉぉぉ!!元気かぁぁぁぁぁー!!」
馬鹿でかい声をだした馬鹿は、一瀬拓海(いちのせ たくみ)だ。俺がまだこっちにいたときに通っていた小学校の遊び仲間だ。性格は容易に想像できるだろう。
他の人の紹介もあるので、まだ何か言っているが右から左へ受け流そう。
その後ろにいる二人は
神原雄介(かんばら ゆうすけ)と西原友香(にしはら ともか)だ。
雄介はやや背は低く眼鏡をかけていて、無口なやつだがサバイバル術に長けていて山で遊ぶときなどで、こいつといると退屈しなかった。
友香はスポーツ万能少女で今は背も女子しては高く、髪はボブカットで肌は日に焼けている。
三人とも昔とはそれほど変わっていないようだった。
「クロ、久しぶり。」
「くろっち、私たちのこと覚えてる?」
「雄介に友香!!忘れるわけないだろっ!!あと他一名。」
「他一名とは何じゃ〜(怒)」
…
…
3人も家の中に入り、居間で早紀も輪に加わり会話が始まる。
その会話の中で拓海が
「いいなぁクロは、早紀ちゃんと同じ家で夜を過ごせるんだもんなぁ。夜這いなんかするなよ。」
この言葉に一気に早紀の顔が赤くなった