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「ETERNAL」
【悲恋 恋愛小説】

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「ETERNAL」-2

「私の目は元からそうゆう目なの」
『へぇ』
彼がニヤニヤ笑って私を見てる。
「なに?」
『別に。最初から死んだ魚の目してる人間なんていんのかよ』
彼は笑ってる。
「いないわよね…」
私も笑う。


妙に満たされてる気分だった。水に浮いてるような感じでもあった。

朝。
昨日は道のはずれに車を停めて眠った。彼はまだ寝てる様子。腕時計を見る。12時。…12時!?まだ彼は寝てる…。まさか!?一瞬心臓が止まった。
「ブランドール!!!ブルー!?ブルー!!」
反応無し。
「そ んな…嘘でしょう???」

ブルーが死んだ。ブルーが死んだ。ブルーが死んだ…

 『おぃ…病人を叩き起こすなよ…』
眠たそうに彼が起き上がる。
なんだ…生きてるじゃん… 生暖かい液体が私の頬を伝う。
『…は?!何泣いてんだよ!?』
「死んでなくてよかった…」
気付いたら私はブルーに抱き着いてた。
ブルーは指の腹で私の涙をぬぐってくれた。
どれくらいの時間抱き合っていただろう?わからない。我に返った私はすぐさま車を走らせた。


「ねぇ…薬、飲まなくていいの?」
『ん、最後まで薬漬けは嫌だ。』
「…。飲みなさい。」
『…』
「早く!!」
怒鳴ってしまった。ただ、彼をなくすのが嫌だった。彼は驚いた表情。
「ごめんなさい…。お願い。飲んで。」
彼は黙って10種類はある薬を全部飲んだ。

今日もまた、道路のわきに車を停めて眠りに就いた。
夜中、寝苦しくて目が覚めた。ブルーは静かに寝息をたてて寝ている。
どうにも彼が愛しく感じられて、おもわず、彼にキスをした。
前を見ると、山が初めよりとても近づいた気がして、少し悲しかった。
(あの山に着いたら、私はブルーと別れる。別れたくない。ずっと一緒にいたい…)


また車で迎える朝。今日は8時に起きた。彼が息をしているのを確認してからエンジンをかけて出発。いろいろ考えながら走っていると、ブルーが咳混みながら起き出した。私は驚いて、急ブレーキをかけてしまった。
『っ!…下手くそ。』
彼は笑った。そして、
『もうそろそろ着くな…。』
と独り言のように呟いた。
私は黙って頷く。何か言いたかったけど、喉の辺りが熱くなって、何も言えなかった。

それから3時間走って、遂に来てしまった、山のふもと。彼は『ありがとう』と一言言って車を降りた。
彼の背中が小さく感じられて、私は涙が溢れそうになっていた。彼はよろめきながら歩いていく。きっと随分弱ってる。薬だって一日に8回飲まなきゃいけなかったのに、一日1回しか飲んでいないもの…。
私は車を降りて彼の所に走った。
「一緒に、行きたい…。」
『あぁ、行こう。』
彼は微笑んだ。胸が熱い。彼に肩を貸し、一緒に歩く。
普通の人なら10分で行ける距離を30分かけて歩いた。見通しのよい、広々とした場所に着く。
『ここだ。やっと着いたんだな…』
そう言うと彼はその場に崩れた。
「ブルー!!」
彼の意識は朦朧としている。
『ジェーン、聞いて、最後に…』
「なに??」
『愛してる。』
「私もよ。」
『もっと早く出会ってれば、結婚とか出来てたかな…?』
「今でも、出来るわ…。」
『本当に…?』

私達は簡単な結婚式ごっこをした。
『これ…』
ブルーは自分でしていた指輪を私にくれた。
『次に生まれ変わるときも、また出会えるように…』
私は涙が止まらなくなっていた。
『あのさ、あの夜みたいにキスして…』
ドキっとした。
「あの夜…起きてたの?」
彼は黙って微笑んだ。
私も微笑み、彼に最後のキスをした。


END


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