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SLOW START
【その他 官能小説】

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SLOW START Z-5

上半身を撫で回すと彼は深いキスした。
その唇は首へ降りて行き舌先で鎖骨を舐め続ける。


堪らなくなった彼女が彼の手をとり自分の頂上に導く。
彼の指先が触れると彼女が小さく声を出した。

…ふぁあ…凄すぎ…


邦画にしては珍しく官能部分が大胆に画面へ映る。


そのうち私達の斜め前、カップルシートに座っている二人がモゾモゾと動いている事に気がついた。

…何やってんの、あの人達…まさか……あ!!

気分が盛り上がったのか斜め前のカップルはキスをしだした。

…ちょっとちょっと〜映画館では我慢してよ〜

見てはいけないと思いつつ見てしまう。

動きが止まった、と思ったら彼女の方が小さく声をあげた。

(っあ…ダメだよ…んん)

…うそ〜もう止めて〜!

さすがに見るのをやめ映画に集中しようとした。

画面の中のラブシーンはいつの間にか終わっていた。

そしてラスト、彼が死んでしまい彼女が泣き崩れるシーン…彼の事をどれだけ愛していたのか悲しすぎる位伝わってくる。

女優さんの迫真の演技で映画館内も私もみんな涙した。

泣くと思っていなかったのでウォータープルーフのマスカラではない。
したがって目の周りはきっとパンダ状態だろう。

ハンカチを取り出し目の下を拭く。

ふと隣を見るとユウキ君の目から涙が落ちた。

…涙もカッコイイ…

などと思っているとユウキ君の目からはボロボロと涙が溢れ出てくる。

私はビックリしてユウキ君を見つめた。
私の視線に気付いたユウキ君が顔を背け、涙を手で拭っていた。

私はそっとポケットティッシュを渡した。
ユウキ君は小さな声で
"ありがと"と言い涙を拭いた。


映画が終わりエンドロールが流れ出すと半分以上の人が外に出始めていた。

「うわ〜はぁ〜まじカッコ悪いね…俺」

ウサギの様な真っ赤な目で照れるユウキ君が恥ずかしそうに言った。


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