Kaleidoscope kurebaiiyo-6
「環、どうしたの? なんか怒ってる? 瑠禾が無理矢理来ちゃったから?」
上目使いで聞いてくる瑠禾に、
「怒ってないよ」
と薄く笑って答え、唇を落とす。そのまま服のボタンを外しにかかる。
「ちょっと、みんなに聞こえるよ」
「聞けばいいんだ、」
天梨なんか。
でも、バレたとしても天梨が何とも思わないのは分かってた。分からないのは、じゃあなんで俺が今、瑠禾とこんなことをしながら、天梨のことばっか考えているかっていうこと。
いや、それも本当は十分分かってる。
しばらくして、弥玖さんが風呂が開いたことを呼びにきた。瑠禾はもう寝てるから、俺だけ服を着てベッドから降りる。
リビングに行くと弥玖さんしかいなかった。天梨は部屋に? でも、さっき前を通ったが電気はついてなかった。
「……天梨は?」
冷蔵庫から麦茶を出しながら、何気なく聞く。
「舜祐さんち。今日は泊まるって」
今なら誰も見ていない。その答えに、俺は今度こそ、持っていたコップを流しに投げつけた。