**突撃!!ヲタク訪問!??午前編**-1
携帯のアラームで目が覚めた。
それも私の携帯には保存されていないはずのアラーム音で。
《おっきろ〜♪もう朝だぞぉ!!早く起きないと、ルナがチューしちゃうぞっ!!》
‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
落ち着け私。
夢の中で眠ってしまい、現段階ではまだ私は夢の中にいる状況にあるだけだ。
もう一度、目を覚まさないと現実に戻れないという訳だ。
さぁ、起きるんだ日和。
《もぅ〜早く起きてよぉ〜!起きないと本当にチューしちゃうぞ♪》
‥‥‥。
‥‥‥‥‥。
嘘だぁぁぁ――――っ!!!!なんで私の携帯からルナタンの着ボイスが聞こえるわけっ!???こんなの保存した覚えないし!!!
んん?
待って。
いや、ちょっと待て。
いつ家に帰ってきたの??
私‥‥‥‥
どうやってお家に帰ってきたの??
全く記憶がない。
「お母さぁぁぁ――んっ!!私、とうとうワープしちゃったぁぁぁ―――っ!!!」
部屋を飛び出してリビングへ向かう。途中の階段で滑りこけたのは言うまでもない。
「お母さんっ大変っ!!私、昨日学校から家までワープしちゃったっ!!しかも全然覚えてないのっ!!どうしようっ!!」
「日和、でかしたわよ。まさか、あんなイケメンを捕まえてくるなんて思ってもなかったわ。あなたどんな手使ったの?」
「あ゛?」
「何とぼけてるのよ!昨日晴輝くんに背負われて帰ってきたじゃない!??あぁー本当にいい子だったわ♪可愛くて、礼儀正しくて、謙虚で。」
「晴輝‥‥くん‥‥?」
「本当に、早く付き合っちゃいなさいよ!!」
私の頭の中をフル回転で起動して“晴輝”に該当する名前を探した。
照合する人物は一人しかいなかった。何度、記憶を呼び起こしても‥‥。