不器用な恋-2
俺は親父の会社の子会社なのよ。
子会社つっても社員は結構居んだぞ。
俺の会社は佐藤建設っていうんだけど、要するに建築業。
俺はスーツ着てメットかぶって建設中の建物見て回る毎日。
刺激もなんもない、つまんない毎日を送ってるそんなときに、
見つけたんだ。
いつも会社の近くの喫茶店で会う。
ってか俺が見てる。
社長が喫茶店かよって?
一目惚れした女が行ってるならいくだろ。名前も知らない女。
うちの会社の制服なのは確実なわけ。
背はちっちぇんだ。150センチくらい。
華奢で
かみはセミロングってかんじか?
顔?可愛いに決まってんだろ。
いっとくが俺はそこそこかっこいい…てのは言い過ぎか。
かっこわるくはない。ってかんじだな。
それが今日
会社のロビーをすれ違ったんだよ。
ただ、ほんの一瞬目に入っただけだった。分かっちまうんだな。好きな女ってのは。
とっさに俺は通り過ぎた女を追いかけ腕を掴んでたんだ。
『きゃ!』
女は振り向き、驚いた表情をして俺を見つめた。
俺はすぐに手を離した。
俺の方がびっくりだよ…体が勝手に動いてなにも言わず女の腕を掴むなんて…
『あの…あ…え?佐藤社長!?』
当然の反応だよな
『…君』
と言ったものの、言葉が出てこなかった…
『はいっ』
女はかしこまっている。