恋人達の悩み4 〜夏一夜〜-5
「っ……りゅうぅ……も、欲し……!」
美弥は体内で指が動き回っているのに気が付き、切ない声でおねだりする。
「ん」
愛蜜でぬめる口元を拭い、龍之介は体を起こして自身の準備をした。
そして、美弥を貫く姿勢を取る。
ずぶっ……
「ふあっ……!」
龍之介は、ゆっくりと勃起を沈めた。
「っくふぅ……」
最奥まで到達してから、息を吐いて動きを止める。
愛しげに纏わり付いて来る肉襞の感触が堪らないが……龍之介はゆっくりと、腰を後退させ始めた。
「ふ……んうぅ……!」
亀頭でGスポットを小刻みに擦られ、美弥の背がびくんとのけ反る。
「りゅう……」
焦らすような真似はしなくてもいいと分かったはずなのにやはり焦らされ、美弥は龍之介へぎゅっとしがみついた。
痛くなる程に遠慮なく掻き回してめちゃくちゃにして欲しい訳ではないが、かといってこうもゆっくりじっくりだと、もどかしくて仕方がない。
「お願……ねぇ……」
ふるふると、濡れた瞳が揺れている。
ぎょくんっ、と龍之介は生唾を飲み込んだ。
肌を合わせている最中はただでさえ可愛さが増すのに、そんな顔をされたら堪らない。
ずぢゅっ!
龍之介は一気に、美弥の奥まで突進する。
「〜〜〜〜っっ!!」
ゆっくりじっくりの反動がついたかのような激しい動きに、美弥は龍之介をきつく締め上げた。
「ううっ……!」
龍之介は思わず、声を出してしまう。
そのまま快感に任せ、力強く腰を振り始めた。
「んあ、あぁ、ふぅあぁああんっっ!!」
待ち望んでいた激しい愛し方に、美弥は蕩けた声を上げる。
「りゅうっ……あっ、ああっ、あっ、あっ、あはあああっ!!」
「っく……美弥……あっ……!」
己の分身を激しく締め上げられ、龍之介はあまりの快楽に眉を歪ませた。
「ふぁ……あ、はあぁ……!」
「はあっ……っ!」
腰の動きを緩めた龍之介は、とろんとした表情の美弥へ口付ける。
美弥は舌を伸ばし、龍之介の口腔内を愛撫し始めた。
「ん……」
ちろちろと舌が蠢く度に、龍之介が色っぽい声を上げる。
こうして体を愛する度に龍之介が上げてくれる声が、美弥は堪らなく好きだった。
もっと声が聞きたくて、美弥の舌使いは自然と激しくなる。
「ん、ん……!」
だが、しかし。
「んふ、むぅ……!」
舌使いを激しくすると美弥の方もうっとりしてしまい、次第に愛撫が緩慢になって来た。
そこから、龍之介の逆襲が始まる。
お返しと言わんばかりに美弥の唇を吸い立て、舐め回し、舌を絡め合った。
その間、緩めていた腰の動きを少しだけ激しくする。
「んんっ、んっんっ!うぅん……!」
それがよほど気持ち良かったのか、美弥は龍之介の体へ爪を立てて来た。
「ぷ……はぁ……」
切なげな顔をする美弥から名残惜しそうに唇を離し、龍之介は美弥をイかせるべく腰を使い始める。
「んうぅ!あっ、うああっ、はっあっ!!」
眉を歪めて高い声を上げる美弥の事を、龍之介は抱き締めた。
「んん……!」
龍之介の首に腕を回し、美弥はしがみつく。
「あぁっ、りゅう、もっ……!」
美弥の狭くてきつい秘裂が龍之介から精液を搾り取るべく、絶妙な締め上げをして来た。
「あっ、あっ、あっ……!んぁ、イッ……うあああぁぁぁうぅ!!」
とうとう、美弥が絶頂を迎える。
「はっ……!」
龍之介はいちおう射精を堪えようとしたが、我慢できずに肉棒をびくびくと震わせた。
龍之介から大量の精液が放出されているのを感じ、美弥が満足そうに喉を鳴らす。
一滴残らず美弥の中に注ぎ込むと、龍之介は肉棒を抜き取って美弥の上へ覆い被さった。
呼吸する事もままならない美弥の事を、きつく抱き締める。
「はぁ……」
しばらくして、美弥がぎゅっと抱き返して来た。
龍之介は腕の力を緩めて横になり、美弥の顔を覗き込む。
「解消できました?」
「…………ハイ。」
今更それほど恥ずかしがる仲でもないのに何がそんなに恥ずかしかったのか、美弥は龍之介の胸板に顔を埋めた。