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フラれた男の子
【失恋 恋愛小説】

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フラれた男の子-1

フラれること。

それは想像以上に痛いことだった。
しかも自分の誕生日に。しかも付き合い記念日に。ダブルパンチだ。

まぁ、それは付き合い記念日忘れないために自分の誕生日に告白した俺のせいだし許そう…

しかしだ、別れる理由が
「好きな人が出来た」
ときた。
所詮俺は単なる暇潰し相手ですか。

遊び人。尻軽。最低女。
頭の中には彼女(元)を罵る言葉が浮かんでくるのだが…
一方では、戻ってきてくれないかな、何かいけないことしたのなら直すから、と未練たらたらのことが浮かんでくる。


そうして俺は、ただいま、彼女(元)との付き合い記念日もとい誕生日を一人家でうじうじしながら、はんべそかいてます。

「うぅぅぅ〜……」

ベッドの上で寝転がり、うめく。

「うぅぅぅうぅぅ〜…」

さらにうめく。

どっかの友達は
「恋愛は人を変えます!変わりたいなら恋愛しろ!!」
と力説していた。

確かに、良くも悪くも変えてくれるな…
今さらながらその言葉の意味を実感する。昔はたかが恋愛で変わるか、と思ってたし、実際恋愛してても変わったということはなかったと思う。

だが実際は…

「…無くして分かるその人の大切さ、か」

声にだして言ってみる。

心の痛みは変わらず、むしろ後悔という念が襲いかかってくる。

そして、自覚する。
俺は変わっていたんだ、と。

そばに転がしていた携帯電話に手を伸ばし、アドレス帳から彼女(元)のアドレスをひっぱり出し、止まる。

「…今さら迷惑だよな」

彼女(元)はきっぱりした人だった。嫌なことは嫌。好きなことは好き。感受性豊かでいつも生き生きして、とても明る――


自分の頭を叩き思考停止させる。どれほど思っていたのかを改めて実感して、さらに落ち込むのを防ぐために。


…とにかく彼女(元)はそういううじうじ、たらたら男は嫌いだし、したらまたきっぱりと
「好きな人出来たから。ごめんなさい」
と言うだろう。


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