年の差-5-4
「無理するな。」
ぽんぽんと、頭を軽く触れられる。
それが合図のように、私の両目からは、温かい液体が流れ始めた。
流れるものを止めることなく。
拭うことなく。
自然に任せた。
任せる他なかった。
陸…。
私、正直、この歳で結婚決めるのはキツイなぁって、思ってたとこなの。
まだ、遊びたいし。
でも、それは別れないと思ってたから。
一度でも思ったこと、なかったんだ。
でも。
もしかしたら、そうなるかもしれないという危機に直面してる、今。
やっぱり、離れたくない。
ねぇ、陸?
私、あなたとじゃないと、やっぱりダメみたい。
こうなることは、分かってた。
分かってたのに、何で連れて来たんだろ?
離れたくないなら、黙っておけば良かったんだ。
悠さんはいなかったことにして、私達で幸せな家庭を、築いたら良かったんだ。
でも。