恋は盲目……知られざる真実……No.4-3
「キャッ!」
定番のお姫様抱っこである。麗さんは小さくて軽いから更に好都合だ。
「ちょっと誠くん…、恥ずかしいよっ…」
今までで一番顔を赤くして抗議の声を挙げるがお構いなし。
「こういう時は遠慮しないの」
耳元で囁くと、俯いて大人しくなる麗さん
…………
「失礼します」
人気の無い保健室
「誰もいないみたいだね…」
空いているベッドに麗さんを降ろす
「どうしたの?さっきから黙り込んで?」
イスに座りながら発した問いかけには答えず、掛け布団を頭までサッとかぶってしまった…
しょうがないなぁー…
具合が良くなるまで側にいてあげるか…
あっ…でもなんだか眠くなってきたな…………
……………………
スゥーー……
「誠くん?」
恐る恐る目だけ布団から出して見てみると、ベッドに突っ伏して寝ている
「寝ちゃったんだ……」
もう、さっきは恥ずかしかったよ…
男の子にお姫様抱っこされるなんて、考えるだけでも恥ずかしいのに…
そういえば誠くんって前髪長いよね
さっきも細川くんに悪く言われてたけど、なんで伸ばしてるんだろ?
考えてみれば私、誠くんの顔、いつも眼鏡と前髪に隠れててちゃんと見たことないかも……
見ても……いいよね?
いいよ、さっきのお姫様抱っこのお返しってことにしよ♪
まずは眼鏡を外してー
ちょっと緊張するかも…心臓がドキドキしてる…
そしてゆっくり前髪を………
ガシッ!!!
「なーにしてんの?」
「ま、誠くん??!えっと、あの、その、これは…!?!」
誠くん起きてたの??!!うぅ、どうしよう?!そんな…なんて言えばいいの?
「あ……う…えっと、ごめんなさい!!好奇心に勝てなくて……」
ふー…と盛大にため息をつきながら眼鏡をかける誠くん。怒ってるのかな?
「ホントにごめんなさい!」
クスッ
「えっ?」
キョトンとした顔で見上げると、にこやかな(少なくとも口元は)誠くん
「ごめんね麗さん、ちょっと驚かしちゃったかな?でも俺、そんなにイジワルじゃないから」
頭をヨシヨシされる
むー…子供扱いして!!
「もう誠くんヒドい!!私、もう子供じゃないんだから!」
精一杯、頬を膨らませるそっぽを向く