恋は盲目……知られざる真実……No.4-2
「ではここを菊崎さん、答えて下さい。…菊崎さん?」
やっぱり……
「れーちゃん、起きて!」
と密かにゆさゆさ揺すって呼びかけているのは、いつも麗さんと一緒にいる、久米穂花(くめ ほのか)さんだ。
「ふにゃ…、くーちゃんダメだよ、そんなに食べれないよ…」
と意味不明な寝言を返している麗さん…
このままだと先生に気付かれてしまう……しょうがないから麗さんの耳元で
「麗さん、そんなに食べたらプニプニに太っちゃうよ?」
って囁く。
はっきり言って女性に対してかなり失礼である。しかしこの事態には仕方ないのだが…
「ッッッッ!!!!!」
ガタッと盛大な音をたてて立ち上がる麗さん。
周りをキョロキョロ見回して、如何にもホットした表情で
「良かったぁー夢かー…」
と大きくため息をはいた
…………
全然良くないのですが…
先生も呆れ顔である
「寝ている人がいたらちゃんと直ぐに起こしてあげなきゃダメですよー?んー…じゃぁ同じとこを、隣の九条くん答えてくだ……」
「分かりません。」
即答である。見れば高校一年生にしては難易度のかなり高い問題。これをスラスラと答えた日には、また色々と面倒なことになりそうだ。
「分からないですかー?やはり、文武両道とはなかなか上手く行かないものですねー…」
この前の体育祭のことだろうか、やはり出るべきではなかったようだ…
「んー…じゃぁ細川くんどうですか?」
「x=3n y=11nですかな。これしきの問題を解けないとは、これだから庶民は困りますな…」
やれやれと言いながらバカにしたような笑みを浮かべる…確か名前は細川広輝(ほそかわ ひろき)。親が会社の社長だったかな?
「んだテメェ、喧嘩売ってんのか?あ``っ?」
いや、亮くん…なぜ君が出てくるんだろうか?
「ふん、その野蛮じみた口調も何とかしたまえ!耳がけがれる。あと九条くん、前髪が長くて不潔だ。なんとかしたまえ!」
完璧に見下してるな。そんなに前髪長いかな俺…
「なんだとっ?!」
立ち上がって細川を睨む亮。両者の間に険悪な雰囲気が立ち込める…
「相手にするな亮…所詮は親の七光りだ。スネかじってる奴と喧嘩しても虚しくなるだけだ」
「ッッ…」
細川は言葉に詰まっているようだ…
麗さんがオロオロと俺たち三人を見て何か言おうとしている。仲裁してくれるのかな?それだとかなり有り難いのだが……
「………ッ…………キュウ…」
何か言おうとして倒れた…
うん、麗さんはよく頑張ったよ。けど、ある意味本当にこれは救済策である
「先生、麗さんが具合悪そうなので保健室に連れて行ってあげても良いですか?」
「あっ、はい是非そうしてあげて下さい。」
ホットしたようにすかさず同意してくれる
麗さんは廊下に出ても足がふらついてる
こういう時は……よっと