【DOLL:typeN001】-7
……そう。
私には分かっていた。
だけど知りたくはなかった。
あの日あの部屋で知った真実。
自分の存在意義が金のためだったなんて…マスターにとって私は使い捨ての道具だったなんて。
私は…
……私は…
……ただのクローン。
マスターが娘を蘇生させるまでの繋ぎ。
“ノア”
与えられた名に愛なんてなかった。単なる商品認識、仕分けのためのコードネーム。
私はマスターに愛されてなどいなかった……。
……ジジッ……
私は目を開ける。
そう…目を開ければ……。
目を開ければ……やっぱりあの人が優しい笑顔で迎えてくれる。
『…おはよう……ドール……やっとお目覚めだね…』
にっこり微笑んで……私の名を呼ぶ。
『…君の名前は“ノア”にしようか……我が社を救う製品として…。』
そしてまた、私たちドールはただ一人愛するあの人……マスターに従うの。
それが…使命。
「…私はドール…あなた様の肉奴隷です…。」