RYO‐マニラバ!外伝‐-1
それは3ヵ月前のこと。
「あたし、結婚することにしたから」
『はあぁっ?!!』
学食で、目の前に座る茜の大告白にオレは絶叫した。
「ちょっ、ちょっと待て!ちょっと待て。落ち着けよ、茜」
「落ち着くのはアンタの方じゃない?リョウ」
平然な顔して茜は言う。
そりゃそうだ。
ごもっとも!
‥‥ん?いやいやっ!
どういうこと?
なんで急にそんなこと。
「そのままの意味だよ。先生と結婚する」
ニヒっと茜は笑っている。
オレらは無事高校を卒業して、晴れて大学生活を送っていた。
茜は高校時代付き合っていた男とは別れ、大学に入ってすぐに新しい彼氏をつくっていた。
しかも相手は10以上も年上の大学の教授。
そして今、その男と結婚すると言っている。
茜ってもっと冷静なヤツだと思っていた。
だいたい、教授と付き合って半年かそこらだろ?!
いいのか?
「びっくりついでにもうひとつ。
赤ちゃんが出来ました!」
ほぉーっ‥‥
もう声も出ないよ。
そして茜は続けて言った。
「あたしね、不安だったんだ。やっぱ‘先生’でしょ。大丈夫かなって。
でもね、そんな時妊娠していることが分かって‥
あなたはあの人と一緒にいていいんだよって。言われた気がしての。
‥‥それで決心した」
それは強い意志をもつ表情だった。