RYO‐マニラバ!外伝‐-3
「あたしがいなくなって舞と2人なんだから、頑張れよっ!!」
茜が休学に入る前にオレに言った。
頑張るって何をだよ‥
もう頑張れないよ、茜。
オレが舞に告白して2年が経つ。
あの舞の性格、大学に入ってからもたくさんの友達ができた。
男女問わず、たくさんの。
―オレより仲のいい男友達をアイツに与えるワケにはいかない―
オレはずっと舞にくっついていた。
おかげでオレにはあんまり友達できなかったよ‥
あーぁ、何やってんだよオレ。
舞との関係に進展があるワケでもなく‥
アイツは、舞は、
オレのことどう思っているんだろうか。
きっと昔と変わらず、いち友達でしかないんだろう。
今はそんな聞く勇気も、告白する勇気もない。
もう、頑張れないよ――。
街中に流れるマライヤ・キャリーの歌声。
プレゼントを選び合うカップル達。
リョウは彼らに冷ややかな視線を送ってしまう。
「クリスマス、か‥」
今年は茜の結婚式もあるし、プレゼントを買うお金もない。
もう、引き時かな‥
もう、待つのはやめよう。
12月24日。
茜の結婚式――
年の差10以上の新郎新婦だからだろう。
いろんな年代の人たちが会場へ入っていく。
オレは舞を待っていた。
あ、あれか?!
こっちに向かって小走りでくる人がいた。
オレはその人に目を奪われる。