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恋は盲目
【学園物 恋愛小説】

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恋は盲目…春期体育祭…No.3-3

「なんと!小林くんの借り物とは、ズバリ、カツラのようです!これは驚きました!しかもよりによって校長先生のもとへ真っ直ぐ行くとは………前々から校長先生の髪は怪しいとは思ってましたが、くぅぅ………僕はもう、断然小林くんを応援したくなってきま………」

グリグリ

「いててて………先生、ホントに冗談ですって!何も先生が去年の秋にお見合いに失敗した話なんて誰にも話して……」

グリグリグリグリグリ……
ひぇぇぇぇ…………


…歩先輩の断末魔の叫びが遠退いていく……


「弟がノックアウトされたので実況は代わりまして、マシンガン佐藤三兄弟が長兄、佐藤走(そう)がお送りします♪」

キャー!ソウ先輩ー!!!
凄まじい黄色い声だ…
「借り物競争は小林亮くんの着眼点の良さに助けられ五組が一位で、今ゴール!」


「ここで、最後の1500mリレーの前に現在の得点と順位を発表します。一位、三年八組…二位、三年一組、三位、三年………」

流石に三年生、上位陣はほぼ独占状態だ……

「十位、一年五組……」

まぁ、亮の借り物競争に助けられて、全二十四クラス中でその位だろうな…

「くー…じょー…おー…!!」
ゴゴゴゴゴゴ……………
なっなんだ?学級委員の犬養綾さんの周りに妖気が見えるのは気のせいか?

「あんた!!死んでも一位になりなさいよ!じゃないと秋期球技大会の前に年間王者の夢が断たれるわよ!!」


「いや、別に俺は年間王者だとか興味ないんだけど………」

「あたしは興味あるの!!!いい?年間王者になれば色々な特権が与えられるんだから、最低でも三位には入りなさい!!」

こいつ……この俺に命令するとは………む…まぁ落ち着け俺。


「分かった、じゃぁ全力を尽くす。その代わり三位以内に入ったら一つ俺に貸しだな?よし決まりだ、行ってくる。」


「ちょっと九条!!?」………………
「行っちまったな。」

「おっ、小林亮!さっきはナイスな働きだったぞ!!」

「まぁな、それより学級委員長さんよ、誠に借りなんか作っていいのか?」

「なに、見た目が如何にも優男で眼鏡までかけてるあいつにそこまで期待はしてないさ。まぁ八位辺りにでも食い込めればと思ってたんだけど?やっぱり陸上部一年エースのこの犬養綾様が出るべきだったわね……。けど何か問題でもあるの?」


「いや、まぁ…見てれば分かるさ…」


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