恋は盲目…周りの視線…No.2-1
うーん、今日も春らしい陽気だ。
いわゆる通学日和ってやつか?
駅前で亮と待ち合わせているのだが………
おっ、いたいた!
うーむ…相も変わらず周囲を威圧しまくっている…
本人に自覚は無いのだが、まぁ…その、なんだ…外見がちょっとあれだし(笑
「よぉ、遅かったじゃねぇか!俺なんか昨日の(喧嘩の)興奮が冷めなくて朝の4時に起きてたぜ!!」
「いや、お前が早いんだ。朝からテンション高いやつだな…何時間睡眠だよ。」
全く……ん?
あれ?なんだこの周りの人からの同情の視線は…?
あぁ、なるほど。こんな朝っぱらからカツアゲされてるように見えるよな。
片や髪の毛が金に近い茶髪の大男
片や身長は高いものの、如何にも文科系な男の子
これは警察呼ばれる前に移動した方が良さそうだな。
「じゃあ行こうぜ。」
「おぅ!」
…………………
やっと教室着いた…やっぱり遠い。
おっ!
「おはよう、麗さん。」
「あっ、おはようございます誠くん」
「何だか教室が騒がしいけど何かあるの?」
「えっとですね、春の体育祭の種目決めをするそうです!私は運動苦手だから玉入れとかかな…そうだ!!一緒に玉入れしませんか?まだ定員空いてますし!」
いやー、玉入れか…
他に空いてるのは1500mリレーと借り物競争位か……
って…亮の奴、ちゃっかり借り物競争にエントリーしてるし…
「はいはーい、聞いて下さーい!」
おっ、学級委員だ、早速大変だなー…名前は確か犬飼 綾さんだったな…
「うぉら聞けそこー!!」
シュッと空気を切り裂く音
「ぐはっ」
喋っていた男子の眉間に真っ白な丸い痕がくっきり。
名前に似合わず凶暴な…
おかげでクラスメンバーの顔色は真っ青。