**ヲタクアイドルVSメガネ王子**-5
「先輩‥‥私、まだ調子悪いんでもう少し寝ます。先輩は授業に戻ってください。」
たぶんもうすぐ一時限目が終わる頃だ。
「えぇー‥うーん。じゃあゆっくり休むんだよ。そうだ!!今度ひよりルナタンに会わせてあげるよ!!だから早く元気になりな♪」
そぅ言って眩しい笑顔で去っていった。
うっ‥‥
不覚にもときめいてしまった‥‥‥。
とりあえず、先輩は私がルナタンじゃないということに気付いてくれたらしい。そして私はルナタンの生まれ変わりだという勘違いをしているらしい。
確かに最近、寝不足気味だったからもう少し寝ようと思ったとき‥‥
ガラガラガラ
保健室のドアがなるたけ静かに開けようとする配慮の気持ちが伝わる開け方で開いた。
そういえば先生はいないのかな?
「渡辺さん?開けていい?」
えぇっ!??
聞いたことのある声に驚く。とりあえず‥開けるべきかな?
カーテンを開けると、そこには私のよく知った人がいた。
‥‥‥‥
やっぱり‥‥
王子だ‥‥‥。
180はあるであろうスラっとした出で立ち。サラサラのストレートヘアに整った顔立ち。シャープな顎に筋の通った鼻、そしてその上には‥‥‥
私のストライクゾーンをクリーンヒットする縁なし銀フレーム眼鏡がこれほどまでにないくらい似合ってしまう‥‥‥
片桐先輩だ‥‥。
私が秘かにいつも目で追っている人…‥。
「だ‥‥大丈夫?顔が赤いけど、熱でもあるのかな。」
そう言って私の額に手を添える。
先輩のときみたいによける余裕がなく、されるがままの私。
先輩に触れられた場所が熱い。