恋は盲目…プロローグ…(No.1)-3
「それよりさ、お前の席、一つ後ろだって」
「あっ、わりぃな。昨日は助っ人頼まれて夜通し殴り合いだったからさ、眠くて眠くて…。いや、殴ってばっかだったから殴り合いじゃないか!ハハハハハ。」
こいつ………
「いや、それは別に良いんだがな、周りに気を使えよ?」
「周り??なんで………うっ……」
続々と登校してきた新、級友たち。
揃いも揃ってドン引きである…
見ろ、俺の隣の女の子なんか震えてるじゃないか……
まっ、いっか。いずれこうなることはわかってた…
そして入学式もクラスの自己紹介なども無事(?)終わり、下校。
「誠、俺今日も夜のバイトだから先行くわ!お前も来れば収入倍増なんだがなー」
「残念ながら俺の武術は人を守る時のみ使用可なんだよ。師範に約束させられてるし。」
「師範?あぁ…あの人ね…」
亮は去年、師範に指一本触れさせて貰えない負け方をしている…
亮よ、元気を出せ。君は人並み外れて強いさ。
師範が人じゃない何かなんだよきっと……
心なしか亮の後ろ姿が哀愁を帯びている…。
さて、俺も帰ろっ…
ん?あれは同じクラスの震えてた女の子…。
声、かけてみるか