命日が誕生日12-1
【第12話】
契約の代償
俺は嵐に、ご飯を与える為…御神家のリビングへと嵐を連れてきた…
「よし…そこに座ってろ
今、用意してやるから」
俺はL字型のソファを指しながら言った…
『ありがと♪ホントに優しい幽霊ね〜♪』
どうやら飯にありつけると解って上機嫌な様だ…
「まったく…調子の良い奴だ…先程まで出来損ないの霊術兵器で、俺を吹き飛ばそうとしてたとは思えんな……」
『あはは♪まぁまぁ〜
悪気は無いんだし!
許してあげようよ?笑』
「まったく……大した神経の持ち主だな…
まぁ…天迦もお前くらい図太かったら苦労する事も無かっただろうに」
『むぅ…何か誉められてる気が、まっったくしないんだけどぉ?』
「ふむ……まぁ…
誉めてもいないし、けなしてもいないかな…
どちらも充分に魅力的な所だしな……」
『………ぅっわぁ〜…
あんた…エライ事をサラッと言うねぇ〜?』
「??……そうか??
……よし…ほら!
これで、あと3分待て」
そぅ言ってお湯の入れたインスタントラーメンを嵐に渡す…
『ありがと♪……
でもさぁ…ホントに言わなくても良いの?』
「………なにがだ?」
『トボケ無いの!
契約の事よ……彼女…
きっと悲しむよ……』
……………
「……言った所で…どぅになる問題では無い…」
『…でも!!
『ちゃんと言ってよ!!』
「………!!!!」
そこにはリビングのドアの前で、今にも泣きだしそうな心を必死に隠して立つ天迦の姿があった…