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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.6-3

「いくら放課後とは言え、廊下で叫ぶのは少し考えた方がいいよ」

にこやかに笑う物理学教諭、柏沼 竜也(カシヌマ タツヤ)はゆりのアイドルだ。
クラスの男子に全く興味の無いゆりは、少し前まではテレビアイドルに夢中だった。
そんなちょっとオタクっぽいゆりだったが、柏沼の登場で一気にハートを奪われてしまったのだ。
そして今も、ぽぉっと心を奪われ見とれている。
「相談ならのってあげるから手伝ってくれないかな?」
手にはどこかのクラス分のノートを抱え、自分の持ち場に帰る途中だったらしい。
「私はこれをコピーして行くから、先にこのノートを持って物理準備室に行っててもらいたいのだけど」
と言って小首をかしげる。そんなちょっと子ども染みた態度に、ゆりはころっとだまされてしまう。
渡されたノートは両手で持つと多少重い様だが、ゆりは頬をほんのり朱に染めて何も言わずに請け負った。
「ありがとう。ちょっと時間かかるかも知れないけど、適当に座って待っててね」
そう言って柏沼は足早に印刷室へと向かう。
本当に穏やかで気持ちの良い人だ、とゆりは頬を朱に染めたまま思う。
これが恋なの?、と。





物理準備室は新校舎二階の東側だ。ドア越しに物理室、隣りに購買部があり、階段を挟んだ西側は二年生のクラスが1から5まで並んでいる。
三年になったゆりは、物理の授業以外では来なくなったこの階が少し懐かしかった。

物理準備室に入ったゆりは三台ある机の一つにノートを下ろし辺りをきょろきょろと伺った。
準備室と名の付くところは狭い。正しくそうだが、物があまり無く整理整頓が行き届いたこの部屋はスッキリとして居心地がよい。
三台もある机は、非常勤の講師の机と柏沼の机。もう一つは応接代わりに使われているらしい。ゆりはその机にあてがわれた椅子に腰を下ろし、窓から見える校庭を眺めた。

風はぬるいがべたついた体には気持ちが良い。Yシャツに透け気味のブラジャーの隙間をすうすうと風が通り抜けていく。
胸元や背中もさっぱりとするが、しかし一箇所だけじめじめと熱を帯びて仕方ない場所があった。―――そう、スカートの下、である。
誰もいなかったらスカートを持ち上げてバサバサと風を送り込むところだが、ここはゆりにとって緊張とトキメキの集う場所。そんなはしたない事、出来るはずが無い。
でも意識すればする程にそこが熱く火照っているのが分かる。

ちらりと柏沼の机を見る。
無造作に置かれたボールペンや何枚かの書類、時々香っていた煙草に灰皿、そして腕時計があった。
ドキドキと緊張しながら辺りを伺い、さっと置き去りにされていたボールペンを手に掴む。
(…柏沼先生、ちょっとだけなら…ね?)
そうしてドアから見える廊下に注意を配りながら、スカートの内側へとボールペンを侵入させた。

ごくり、と唾を飲み込む音でさえ大袈裟に聞こえる。
手にしたボールペンに柏沼のぬくもりが残っているような気がして、ゆりは自分の火照りを鎮める為に小さなタブーを犯す。
柏沼はすぐに来るかもしれない。バレたら死んでしまいたい程後悔するだろうけど。
でも止められない。
慣れ親しんだヒトリエッチは、興奮の高まった今の自分を5分もかからず高みに連れて行けるだろう。
ほんの少しだ。
こんなチャンス滅多に無いのだし……。


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