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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.6-2

「ねぇ、ゆり聞いてるの!?」
不意に話を振られ、ゆりは驚いて持っていたシャープペンシルを落としてしまう。
「何やってんのよ。赤点取るよ、そんなんじゃ」
「そうよ、ゆり。ちゃんと試験勉強しなきゃ」
心配してくれる友達に軽く謝りながら、ゆりは数学の教科書を広げるが全く頭が働かない。それを見ていた女友達は眉をしかめていた。
「やっぱ理系は良いわよね、勉強しなくても点数取れるんでしょ?」
「文系は暗記が基本だからね。呑気な理系には理解出来ないでしょうけど」
口々に言われる。ゆりは苦笑を浮かべながら、またか…と思う。
女の子のグループと言うのは非常に複雑だ。属してみないと分からないのだが、多数と違う意見を持つのを極端に嫌う傾向にある。
ゆりの属しているグループは5人。そのうち4人が文系だ。いつも弾かれてしまうのはゆりの役目だった。

「あたし、帰るわ」
全然集中出来ないし、これ以上文句も聞きたくない。気疲れでどうにかなりそうだ、とゆりは考えて席を立った。
誰一人として、言い過ぎてごめん、とも、一緒に頑張ろう、とも言う友達はいない。後ろで、また元の様にキャアキャアと騒ぐ声が聞こえる。
ゆりは心が冷たくなるのを感じながら、放課後の廊下を一人で歩くのだった。





ゆりが上の空だったのは化学の試験日が迫っていたからである。あと10日しかない。
最低最悪な大河内が馬鹿な試験を考えたからだ、とゆりは始め憤慨していた。ゆりが憤慨する理由、つまり化学の試験とは、ただの筆記試験では無い。
化学教諭の大河内薫が考えた課題をレポートにして提出する。聞こえはいいが、どの課題もセックスに関するものばかりなのだ。
つまり、ゆりにとっては試験までの2週間で脱ヴァージンせよ、的な感じである。

『つーかさぁ、この中の人と適当にカップル作って課題クリア〜、みたいな』

そう言ったのは確か自分だった。
脱ヴァージンなんて簡単だと高を括っていたのだが、どうにも上手くいかずに今焦っている。
15人の理系。そのうち女子は6人、男子は9人。
「日立もダメ。草野もダメ。今井と太刀川は近寄りづらいし。瀬田もイヤ……あとは」
ブツブツ言いながら廊下を歩く。
身長160cmでFカップ。太っているわけじゃないが、むっちりとした体付き。だが、先ほどの話の通り、まだ処女である。
肩にかかる手前のセミロングの黒髪。月1の縮毛矯正で針の様に真っ直ぐだ。
一重だがクリッとした瞳に、少し厚めの唇。丸い顔だが少女らしい瑞々しさに溢れていた。

「最悪……全然簡単じゃないじゃん」
ゆりはレポート用紙をもらった日にそれとなく理系の男子に接触を試みていた。
別に彼氏になって、とまでは言ってない。軽く一緒に課題をして欲しかっただけだ。一度だけでいい、そこまでゆりが言っても、皆渋い顔をするばかりだ。
(男はなんでこう割り切れないの!?)
丸い頬をさらに丸くしてゆりは怒った。
そんなに自分は悪い方では無いのに………。

「オタクはやだし。………あーッもう誰か相談くらいのってよねッ!!!」


「………何を叫んでるの?」


(………!!!!!!)

息も止まりそうだ。
優しい声。
柔らかな言葉遣い。
甘いマスク。
振り返ると、そこにはゆりが胸をときめかせている人―――柏沼 竜也がいたのだから。


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