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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.6-13

「ふざけんなッ、いつもお前の思う通りになんか…」

「…相澤ゆり」

俺は薫の一言に固まってしまう。なんで…なんで、こいつが……
「竜也、3年5組を選んでやるよ。だからな…」

「もう一度言う。七月の期末考査、忘れられない高校生活の思い出にしてやるんだ」

そういって大河内は去っていった。俺は黙って唇を噛んだ。NOとは言えなかった。


そして現在、こうして共犯にされて俺は相澤ゆりを手に入れた。
何と無く可愛いな、そう思ってからだんだん目で追うようになり、ゆりも満更じゃなさそうな雰囲気になった。大河内の実験の話の後、絶対自分を頼るはずだと思った。だがゆりは、あっちこっちとアプローチをしていたのだ。
好きでもないクラスメートに媚びを売り、男とセックスをすることに何の抵抗もなく、自分が初めてだということも、自分の身に何が起こるのかとも、何も知らずにいたのだ。

思い過ごしだったのだろう

好意を寄せていた相手だけに腹が立った。自分に頼ってくると確信していただけに悲しくもあった。
軽い女じゃないと信じていた。自分を安売りするような女じゃないと……
だけど、教師と生徒の隙間は自分が考えていたほどの簡単な距離ではなかった。
こんなにも温度差があるとは気付かなかった。

(俺は………好きだったのか)

手に入れてから解る虚しさ。怒りに任せて全てを奪った後悔。ゆりの泣き顔しか残っていない。自分がそうさせてしまった。そう仕向けてしまった。
一日、二日、三日と日にちを重ねるたびに怖くなる。失ってしまうことの恐怖。ゆりを手放すことの恐怖。
こんなにも気持ちは高まっているのに、ゆりの純粋な気持ちには答えられない。熱に浮かれて手綱を放したら………



「竜也、お前はそんなにみっともない男だったのか」
ウオッカベースの辛口を喉に流し込みながら大河内は呟いた。
「背筋を伸ばせ。いつも俺にいうのはお前だろ。『馬鹿だな』って」
猫背気味の柏沼がムッとした顔で、こちらはジンベースの辛口を啜る。独特の香が鼻から抜けると、柏沼はようやく背筋を伸ばした。
「好きだって言うんだ。馬鹿みたいに俺を信用して。怨めばいいものを」
くいっと一気に流し込むとカンッといい音を立ててカウンターに着地する。どうでもいい仕草にまで柏沼は苛立ちが隠せない。
「………あのな…」
「薫はわかんねぇんだっ、失う怖さとか、愛おしさとか………嫉妬に駆られて目の前が真っ暗になるとか……!!!」
ドンッと拳をカウンターに叩き付けるとグラスがカタカタと不協和音を生んだ。波立つアルコールに映る自分は余りにも滑稽だ。

「自分に嫉妬してどうする」

珍しく真剣に大河内が返す。柏沼は下を向きながら黙って聞いた。
「それは独りよがりじゃないのか?」
言葉がどんどん染み込む。自分が認めたくない気持ちがじわりじわりと染み込んでくる。
……そう思いたい、でも本当にそれで……


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