はるのいろ#2-4
「落とされたくなきゃしっかりつかまってろよっ。」
そう言われた私は、目の前の彼につかまった。
…案外…背中、大きいんだなぁ…。
…ってか私、こんな抱きついてるみたいで変態っぽくないっ!?
彼は目の前にいるけど、走っている最中は普段の話声じゃ聞こえたもんじゃない。
だから私は、叫ぶようにして言った。
「バイクの免許、持ってるのーっ?」
「原付は持ってる。」
彼も私に聞こえるようにして言った。
「これって原付ー?」
「違えよっ。」
「はぁっ?免許持ってないの?!」
「だから持ってねぇっつってんだろっ。」
「やだっ!降りるっ。」
「死にたきゃそうしろっ!」
三十分くらいバイクを走らせて彼はバイクを停めた。