プロポーズ?-2
「お、前向きな発言ですね〜。えらい、えらい。」
「そう言う、秋田さんは?」
「オレ?ヒミツ。」
「何それ。意味分かんない…。」
「いやいや、冗談だって。」
ここで、一つ大きく息を吸って覚悟を決めた。
「来年中に結婚する!」
…よし!言った!よくやったぞ、オレ。
自分で自分を褒めながら彼女の出方を待った。
「へぇ、どなたと結婚されるんですか?」
はい!?
彼女の言った意味を理解できず、しばらく固まってしまった。
ようやく、事態を飲み込めるまでにも、彼女の発言は続いていた。
「やだ、全然知らなかったです。
まさか、そんな方がいらしたなんて。
あ、おめでたいことなのにこんな言い方は無いですよね。ごめんなさい。
改めて、おめでとうございます。」
いや、ちょっと待て!
ちっともめでたくない!
予想外の方向に進んで行く話に、オレのアタマは完全停止になり全く言葉が出てこず、気持ちばかりが焦っていた。
気がつけば、光の回廊を通り抜け、光り輝く壁に囲まれた広場にたどり着いていた。
「すげー…。」
「キレイ…。」
360度ぐるりと見回して、二人同時に呟いていた。
まるで、自分が宝石箱の中に落っこちたみたいだった。
しばらく光の洪水に溺れていたオレ達は、人の波をかき分け広場を後にした。
突然彼女がどこかへ走って行った。
と、すぐに戻って来た。
「どしたの?」
「募金してきたの。来年以降の開催基金を集めてるみたいです。」
「へぇ、そうなんだ。」
「来ないのと来れなくなるのとは別問題ですから。」
全くもって理解できない。
オレとは来ないと言うことか?
それよりもいつからこんなに意思疎通できてなかったんだ?