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プロポーズ?
【大人 恋愛小説】

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プロポーズ?-3

付き合ってたよな、うん、間違いない。
ほぼ毎日電話してたし、週1で会ってたし。
キスだって会えば必ずしてたし、体のお付き合いだって…毎回じゃなくてもあったよな。
考えたくないけど、セフレ程度に思われてたか?
いや、誕生日プレゼントに指輪贈った時はすごい喜んでたし。いつかはホンモノを…なーんてオレも言っちゃたりなんかしてるし。こんな会話しといてそれはないよな。
ドッキリか?あ、それだと前もって準備がいるか。てか、今日プロポーズするなんて誰にも言ってないし。オレすら予定外だったんだ。
全部、オレだけの妄想だったとか……。ハハハ、これでオレも立派な妄想族だ!
ってそうじゃなく!


ぐちゃぐちゃ考えてふと気付くと車にいた。
甘い匂いにつられ振り向くと、後のシートにりんご飴とベビーカステラがあった。
どちらも、オレの好物だからどうやら自分で買ったのだろう。


ああそうだ。あの後夜店でこれ買って、彼女送ったんだっけ。


自分がいつも通りの行動をしていたことに安心した。
しかし、帰りの道中彼女とどんな会話をしていたかはまるっきり覚えていなかった。


よく無事に帰って来れたな。ほとんど覚えてねぇや、こわっ。


ぶるっ、と思わず身震いしていた。
それから、自宅に戻り頭を整理しようとした矢先、ヤツからの電話が鳴った。





腹立つ、ムカつく、気分ワルっ!
何を偉そうに、自分が結婚してるからってよ。


側にあった枕に一つ思い切りパンチを食らわす。
ぼふっと余計に苛立ちを増す音を立てて形を歪める。
それを見ていると溜め息がこぼれ、自分が虚ろになっていくのが分かる。
耐えられなくなり、視線をずらすと、彼女の笑顔と眼が合う。壁に貼った夏に撮った写真だ。
割とクールで落ち着いた彼女だが、この写真は年相応というか瑞々しいありのままの姿を映し出した感じが気に入っている。


この笑顔にかけてみるか…。


先程、ほっぽりだした電話を再び手にする。


プルルルルッ


コール音が鳴るたび心拍数が跳ね上がる。こんなに緊張する電話は生まれて初めてかもしれない。


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